ソフトバンクグループのソフトバンクコマース&サービス株式会社はクラウドマーケティングというサービスを展開しています。
ビジネスモデルはソフトバンクコマース&サービスが広告効果解析ツールなどのクラウド系サービスをベンダーから仕入れ営業代理店に卸すというウェブソリューション版の問屋ビジネスです。
今のウェブサイトのキャッチコピーは
「時代はクラウド WEBマーケティング 新たなビジネスの創出へ」
というものです。
キャッチコピーは出来不出来によってランディングページのコンバージョン率が倍近く変わったりするケースもあり、ウェブマーケティング改善における重要領域の一つです。にも関わらず軽視されがちなところでもあります。
そしてソフトバンクコマース&サービスが新しいキャッチコピーをクラウドソーシングサービス上で募集しています。
上げられている提案内容が興味深いので少し見てみましょう。
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筋斗雲とか掴もうぜ!などのフレーズが並んでおりドラゴンボールみたいですね。なんだかワクワクしてきました。
またこんなものあります。
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もちろんこれ以外に普通のものもあります。また費用は3万と安く、採用しないユーザに対価は発生しないという条件があるため、トータルの良し悪しを判断するためには諸々の条件を差し引く必要はあるでしょう。
ただしこの話で学ぶべき点は
「良いキャッチコピーを作るためにはクライアントのビジネスモデルとユーザの理解が不可欠」
ということです。
なぜこのようなことが起こるのかというと
・ソフトバンクのビジネスを理解していない
・キャッチコピーそもそもの理解を取り違えている
ことが原因だと考えておりひとつずつ説明します。
それでは参りましょう。
キャッチコピーを考える際に重要なのは、まずクライアントが誰に対してどのようなビジネスモデルを展開しているのを把握する必要があります。
クラウドマーケティングの対象顧客は営業代理店となる販売パートナーですが、販売パートナーにとってのメリットと、サービスを最終的に導入する企業にとってのメリットを分けて考える必要があるにも関わらずかなりの提案がごっちゃになっています。
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営業が強く商材を持っていない会社の共通の関心は
・手離れが良いこと(なるべく面倒にならないように売りたい)
・安定収益(毎月入る)
・粗利が大きい
などが挙げられます。
クラウドマーケティングのサービスを見ると毎月継続で安定収益が見込めるサービスがメインなので継続収益は訴求対象として妥当です。
クラウドそのもののメリットはどこでもサービスが利用できるとかですが、販売パートナーにとってのメリットにはならず訴求対象としては微妙だと感じます。
むしろこのサービスはソフトバンクが審査して質の悪いサービスを弾いているように見えるので、信頼性のメリットが大きいように思えます。
このように誰のどんな課題をどのように解決するかを理解することがまず重要です。
キャッチコピーだけでなく広告もそうですが訴求には
・メリットをユーザに簡潔に伝え行動を促す
・強い印象を与えてユーザに覚えてもらう
という2つの目的がありますが、上がっている提案を見ると狙いがぶれてしまっています。
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BtoBサービスのキャッチコピーで成果を出すためには何の課題をどう解決できるのかを一言で伝えることが重要です。
名刺管理ソリューションを提供するSansanなどを見るとわかりますが、きちんと伝えられてますね。名刺管理が早い安いといった機能寄りの話ではなく営業が強くなるという価値を伝えています。
一方でtoCサービスのキャッチコピーは糸井重里さんの考えた、映画もののけ姫の「生きろ」のように強い印象を与えることが目的になっているケースがあります。
去年のバレンタイン時なので少し古いですがブラックサンダーの広告は両方解決できているように見えますね。
http://hamusoku.com/archives/7735753.html
こういったtoCのキャッチコピーは大喜利的な発想センスが必要になりますが、BtoBのキャッチコピーはメリットが伝われば問題が無いありません。
そのためクラウドマーケティングのキャッチコピーとしては
「売れる商材を探している営業責任者の方へ
新人営業が今すぐ売れるストック型商材だけをソフトバンクが取り揃えました」
というように収益性や手離れの良さや信頼性を伝えることが必要です。
今日から売れるってほんとかよ?という話もありますし、ストック型という言葉の意味が伝わららない可能性があるため検討は必要ですが少なくとも対象顧客である販売パートナーに対して儲かります!売ることに集中できます!という訴求は必須でしょう。
このようにキャッチコピーの目的を分けて考えることが必要になり、toBであれば質実剛健なもので構いません。
良いキャッチコピーを作るためには
事業やビジネスモデルそのものの特長を理解
⇓
サービスの対象顧客の関心を理解する
⇓
関心に応えられるコンテンツと訴求を展開
というプロセスが必要ですが、クラウドワークスの提案を見る限りこれらの観点ががっつりと抜け落ちているのではと感じます。
そしてこれはキャッチコピー改善だけの話に留まりません。
・コンバージョンアップのためのUI改善
・SEOやリスティング広告の成果につながるキーワード特定
・LPO
・ABテストの際の仮説の構築
・リピート改善
などなど様々なウェブマーケティング施策において成果を出すために必要な共通の考え方です。
まあ散々偉そうなことをいってますが私が所属する会社のキャッチコピーを見てみると
「Emotions know」
になってました。これは現在リニューアル中です。。
それではまたこの場所でお会いしましょう!
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早稲田大学在籍時に株式会社アルコにアルバイトとして参加し入社。現在はコンサルタントとしてベネッセやラクスルなどが運営する大規模サイトを中心にウェブマーケティング改善のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。