中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 芸能・社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【芸能・社会】

「第三者が私の体内に入れた」 栩内被告が無罪主張

2014年7月23日 紙面から

栩内被告の初公判で傍聴券の抽選に並ぶ人たち=東京都内で(石井裕之撮影)

写真

 人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名・宮崎重明)被告(56)と共謀して覚せい剤を使用した疑いで逮捕され、覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた知人の元会社員、栩内(とちない)香澄美被告(37)の初公判(鈴木巧裁判官)が22日、東京地裁であった。栩内被告は「覚せい剤を使用したことがありません」と起訴内容を否認。覚せい剤成分が検出されたのは鑑定ミスとし、「第三者が何らかの方法で私の体内に入れた。使用の故意はなかった」と無罪を主張した。

 縦ストライプのシャツに紺色のズボン、黒縁のメガネ姿で入廷した栩内被告。髪は茶色く染めたままだった。弁護人に一言あいさつし、にっこりほほ笑んだ後、深呼吸をした。眉尻にもメークを施さないすっぴんだったが、整った顔が傍聴席の目を引いた。

 右手にハンカチを握り締めて証言台へ。名前、本籍地などを言った後、職業を「無職です」と小さな声で答えた。起訴状の読み上げの後、罪状認否で弁護人が配布した紙を手に、栩内被告は裁判官をまっすぐ見据えながら、はっきりとした口調で述べた。

 「私は覚せい剤を使用したことはありません。尿や毛髪から鑑定の結果は事実ではないので、鑑定のミスによるもの。鑑定の誤りであるか、仮に鑑定が確かならば、第三者が何らかの方法で私の体内に入れたものです。私に使用の故意はありません。私は無罪を主張します」

 冒頭陳述で検察側は、今年5月17日に覚せい剤の共同所持でASKA容疑者とともに逮捕された後、任意に提出した尿から覚せい剤成分が検出されたことに加え、知人の話として「一晩中踊って寝ておらず、朝起きたら知らないところにアザができていた」「旅行をした際に、被告が廊下に立ったまま寝ていた」などと、覚せい剤の使用が疑われる不審な行動を指摘した。

 これに対し、弁護側は被告が拘留中の6月7日に行われた、2度目の毛髪鑑定では陰性反応が出たと反論。鑑定は、髪の根元から6センチ刻みで5分割して使用時期を推定する方法で、同日の検査ではすべてが陰性だったという。

 弁護人は「毛髪は年単位、数カ月単位で覚せい剤の使用が証明できる。(1回目の鑑定から)わずか20日たったくらいで陰性になるのはおかしい」と指摘。「鑑定結果が陽性なのに、被告がふてぶてしく否認しているなどと報じられているのは極めて遺憾」と厳しく批判した。すると栩内被告はコクリとうなずき、涙目になっていた。

◆行動赤裸々に

 1回目の鑑定は、逮捕から約8時間後の5月17日に東京・湾岸警察署で行われ、尿検査と毛髪からいずれも陽性反応が出ている。これについて、弁護側は当日のASKA被告と栩内被告の行動を赤裸々にすることで、鑑定結果の間違いを主張した。

 5月16日、栩内被告は勤務を終えた後、友人と食事。相当程度飲酒し、午前3時に帰宅した。午後4時ごろ、ASKA被告が来訪し、清涼飲料水を飲んでシャワーを浴びた後に性交渉した。6時ごろに睡眠薬1錠をもらって服用。そのまま眠ってしまったため、ASKA被告がいつ出て行ったかもわからないという。

 鑑定結果について栩内被告は、ASKA被告は大量に汗をかく体質だったため、「(自身の毛髪に付いて)十分に洗浄されないまま鑑定されたのではないか」と思ったという。また尿にはASKAの体液が混じっていた可能性があると主張。つまり、避妊具を付けずに性行為に及んだ可能性がある。

 また、供述調書に基づき、ASKA被告は逮捕以来、栩内被告については覚せい剤を使用していないとしており、共謀を否定。栩内被告は週刊誌でASKA被告の薬物疑惑が報道された後から、メールやLINEで「もし、使用の事実があるなら交際をやめる」と警告していたが、ASKA被告は「毎週検査しているから大丈夫」と言い聞かせていたという。

 5月4〜6日に2人で北海道旅行に出かけたが、その際も「約束を守れないなら札幌(に一緒に行くのを)やめる」とメールし、食い下がったところ、「だから言ってんだろ。信じてもらおうと思って精いっぱいじゃないか!」と返してきたという。そのため、ASKA被告は覚せい剤を使用していないと信じたと主張した。

 弁護側は栩内被告の自宅や勤務先から覚せい剤や関連器具が発見されておらず、身体にも注射痕がないため「(栩内被告は)そもそも使用していないし、入手するチャンスがない。経路はASKA容疑者しかないが、彼は提供していないことが明確になっている」と述べ、使用の故意についても争点にする構えだ。

◆動揺の色なし

 長時間にわたる弁護側の冒頭陳述に沿って、資料を見ながら時折うなずいていた栩内被告。その表情に動揺の色はまったく見られなかった。

 次回公判は9月9日。検察側は1回目の毛髪鑑定で陽性を認定した、科学捜査研究所(科捜研)の鑑定士を証人尋問する予定だ。

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ