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ベネッセ、非会員の情報も流出 カード情報も漏れた恐れ

 大量の顧客情報が流出した通信教育大手ベネッセホールディングス(HD)は22日、各地で開いたスタンプラリーや発行雑誌のアンケートで集めたが、会員にはなったことがない人の情報も流出していたと発表した。クレジットカード番号など重要情報が流出した可能性があることも公表。現時点で流出が確定したのは少なくとも約2300万件。なお流出の全容は把握できておらず、どこまで増えるのか見通せない状況だ。

 ベネッセHDは21日夜、運営するインターネットの二つのサイト「ベネッセウィメンズパーク」と「ベネッセライフスマイルショップ」の顧客や会員の情報が流出していたと発表した。新たな流出は、不正競争防止法違反の疑いで逮捕された松崎正臣容疑者(39)が6月17日と同27日に社内データベースからスマートフォンにコピーした顧客データを精査したことから、判明した。

 22日に会見した松本主税執行役員は「これまでは流出が確認されていなかったデータベースの領域からの流出だった」と説明。このため、このほかにも流出がないかどうか、事故調査委員会(委員長・小林英明弁護士)が調査。1カ月程度で報告書をまとめる考え。

 ベネッセは、全国各地の動物園や観光施設などで子供向けのスタンプラリーなどを開いたり、発行する雑誌の読者にアンケートをしたりして個人情報を合法的に収集。通信講座などへの勧誘に活用してきた。これまで「流出したのは現在の顧客か、過去に顧客になってもらったことのある人の情報だけ」と説明してきたが、誤りだったことになる。

 ベネッセは21日夜の段階では流出した個人情報は2260万件と発表したが、22日になってこれとは重ならない約40万件が別にあることも明らかにした。別の時期や手段で流出した可能性があるといい、流出件数は少なくとも2300万件になる。同社はさらに流出件数が増える可能性を否定していない。

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