最低賃金:審議過程の公開を 雨宮処凛さんらアピール
毎日新聞 2014年07月22日 19時03分(最終更新 07月22日 19時17分)
最低賃金の審議過程は公開されるべきだとして、作家の雨宮処凛さんや元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児弁護士ら250人が22日、「貧困問題に取り組む有識者による『最低賃金アピール』」を公表した。中央最低賃金審議会が今年度の最賃を検討しているが、実質的な議論が行われる専門部会も含め、審議は公開されていない。宇都宮弁護士は記者会見で「決定のプロセスはオープンにされるべきだ」と訴えた。
審議会は「公開すると率直な意見交換が難しくなる」などという理由で非公開となっているが、地方では鳥取県や和歌山県などの最賃審議会は審議を公開している。会見に同席した鳥取県の審議会会長を務め2008年に公開を決めた鳥取大の藤田安一教授は「公開によって審議が滞ることはなかった。過程を透明化すべきだ」と話した。
最低賃金は、毎年物価や経済情勢などを踏まえて改定される。非正規社員らは最賃に近い額で働くケースが多く、最賃の動向が生活に大きく影響する。【東海林智】