中国スマートフォン(スマホ)大手の北京小米科技(シャオミ)は22日、新型スマホを7月末に中国で発売すると発表した。腕輪型の「ウエアラブル端末」に参入することも表明。小米は若者に人気の製品・販売手法で「中国のアップル」とも呼ばれ、今年1~6月期の売上高は前年同期の2.5倍になった。新製品による増収効果は確実で、創業5年目ながら年商1兆円が視野に入った。
「小米は中国人が誇りに思える世界的なスマホのブランドを目指す」。北京市内で同日開いた製品発表会。雷軍・董事長兼最高経営責任者(CEO)が宣言すると、詰めかけた20~30歳代の小米ファン約1000人が大歓声を上げた。
発表したのは主力スマホの新製品「小米4」。普及期を迎えた第4世代(4G)携帯サービスに対応する。米クアルコムのCPU(超小型演算処理装置)を載せ「現時点で世界で最も速い」(雷CEO)という。
素材にステンレスを使うなどし、高級感のある外観を追求。米アップルの「iPhone」に遜色のない仕様とする一方、価格は1台1999元(約3万2700円)からと現在の主力機種から据え置いた。
「小米手環(ブレスレット)」でウエアラブル端末に参入することも発表した。小米4と併用すればロックを手軽に解除できるなどの機能がある。価格は1個79元。ウエアラブル端末は韓国サムスン電子やソニーが参入したばかりだが、小米が早くも追いついた。
小米は2010年4月設立の新興企業。インターネットを活用した販売促進で急成長した。若者が好む製品情報などを中国独自のミニブログ「微博(ウェイボ)」で流し、転送(リツイート)により知名度を上げる手法が成功した。
「小米のスマホには値ごろ感がある」。会社を休み、上海市から発表会に駆けつけた男性(39)は語る。ネット検索の百度(バイドゥ)による人気ランキングでは同日夕現在、小米はスマホブランドでアップルに次ぐ2位とサムスンを上回る。
14年1~6月期は出荷台数が2611万台と前年同期の3.7倍、売上高が約330億元と2.5倍に急成長。円換算で5000億円を超え、通年で1兆円の大台がみえてきた。台湾の調査会社トレンドフォースによると台数の世界シェアは14年1~3月時点で7位(4.0%)につけた。
雷CEOは同日、14年通年は最低6000万台のスマホを出荷すると表明。ただ、取引のある部品メーカー幹部は「6月時点で、8000万~8500万台分の部品供給の打診があった」と話す。目標は控えめとみられ、4~6月時点で世界シェア5位に浮上している可能性がある。
小米は液晶テレビやタブレット(多機能携帯端末)への参入も発表している。デジタル家電の総合メーカーへの脱皮を目指しているようだ。
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