国際自然保護連合 ウナギ漁など視察7月23日 4時57分
世界の野生生物の専門家などで作るIUCN=国際自然保護連合は先月、ニホンウナギについて、近い将来、絶滅する危険性が高いとして絶滅危惧種に指定しました。この団体の調査委員長が今月、日本を訪れ、天然ウナギの漁や養殖の現場を視察し、保護の在り方を検討するため、漁業者と研究者など利害関係者どうしでの議論を深める必要があると指摘しました。
生息数が激減しているニホンウナギを巡っては先月、IUCNの専門家のグループが近い将来、絶滅する危険性が高いとして絶滅危惧種に指定しレッドリストに掲載しました。
レッドリストに法的な拘束力はないものの、今後、国際的な取り引きの規制など保護を求める世論が高まる可能性があります。
IUCNのウナギ調査委員会のマシュー・ゴロック委員長は今月19日に来日し、各地のニホンウナギの漁などの現場を視察しました。このうち天然のニホンウナギの漁が行われている岡山市では、伝統的な漁を視察し、漁業者から天然ウナギの漁獲量が大幅に減っている現状を聞き取りました。
また、静岡県吉田町では、ウナギの養殖業者を訪ね、大規模な施設で、稚魚を1年で食べられるまでに成長させている養殖技術を見学したり、稚魚が減って値段が高騰し、経営が圧迫されているという現状について説明を聞いたりしました。
視察のあと、マシュー委員長はNHKの取材に対し、「ニホンウナギを守るには漁業者や消費者、それに研究者など利害の異なるさまざまな立場の人が情報を共有して、議論することが必要だ」と指摘しました。
マシュー委員長は、今週末、東京で開かれるウナギの資源管理の在り方を話し合う会議に出席して研究者や養殖業者、それに関係省庁の担当者と意見を交わすことになっています。
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