2014-07-22

現場における新人教育について

なんで未経験者を雇用して会社で育てないんだよ? と聞かれたのですがその時は場所柄率直な返答ができなかったのでマスダにてメモしておきます

まず「どんなやる気のないクズでも育てられるようなマニュアル」はないです。「どんなやる気のないクズでも育てられるような教育係」もいないです。世の中のどこかには存在するかもしれないんですが、少なくとも自分の生きてきた環境では見たことないです。

一方で「クズ同然の劣悪な教育放棄」「新人いじめしか思えない現場環境」のなかでも、それなりに仕事を覚えて能力を身につける人間は多くはありませんが確実にいます。多くはないと言ったって、そう絶望的な割合ではありません。5%くらいでしょうか。残りの95%だってストレスで脱落しているだけであって、ちょいと現場環境を整えてやれば、1020%くらいの人間は、特別マニュアル新人研修をしなくても、勝手仕事を覚えます

思うに、自分自身教育できるのは、自分自身しかいないのだと思いますマニュアル研修教育係はそれを活かすことは出来ますが、ゼロは何をしてもゼロです。

冒頭に戻り「なんで未経験者を雇用して会社で育てないんだよ?」何ですが、これは「即戦力募集」という募集文章に対する疑問として問われました。

雇用現場側の話で言いますと、未経験者を雇用しても特に問題ないですし、育つ奴は勝手に育つと思ってますしかしながら育つかどうかは本人の素養によるところが大きいので「即戦力募集、という言葉雇用しておいて、伸びない人材だったら試用期間/有期雇用で切る」が最適戦略ということになります。これはその戦略正義か悪かという話ではなく、ただ単に効率問題です。

「そんなことをしてると長期的視点人材が育たない」とかい批判もあるでしょうが「やる気がないクズ」というのは5年育てても(というか育ってないので、育ててもというよりは、雇用して職場を共にしても)本当にわずかに成長しません。入社三カ月の新人電話対応手際で負けるとか、あり得ます

そういう人材ばかりを雇用して「長期的視点人材育成」とかいってる経営者無能だと思いますし、個人的にはあり得ません。

(彼らは会社組織利益フリーライドしてるわけであり、真面目な仕事をしている社員を含むステークホルダーに対する背信者でさえあると思います

もちろん「自分自分自身を育てられる人」というのは有能なんで、仕事覚えたら別の場所転職ちゃう危険性はあるのですが、でも前者の育たない人を雇用するよりもよほどましです。

まり、現状現場戦力を拡大したり維持することを雇用から見る限り「新人ガチャガチャを回しダメだったやつはすぐ切る」のが現状ではもっともいいのです。

これが派遣社員有期雇用が増加している理由だと自分は思っています

正社員になりたい」という人は多いですが、今の日本の現状を見る限り正社員というのは「自分自分を育てていける人材しかまりません。そして「正社員になりたいと言いつつなれない人」の多くは自分を育てる気が全くありません。

現在雇用状況は、ある視座から見たとき不正義に見えるかもしれませんが、そこには(善悪ではないにしろ)それなりの理由があるのです。

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