大手メモリーメーカーである台湾トランセンドが、2.5インチ7mm厚でシリアルATA接続のバリュークラスSSD『SSD370』シリーズを発売しました。容量バリエーションは32GB、64GB、128GB、256GB、512GB、1TBの6種類。日本でも現在、128GB以上の4モデルが発売中です。


Transcend SSD370

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6 枚





最大の特徴は、市場破壊的な価格から人気となったライバル製品、Crucial MX100をさらに下回る価格です。7月21日時点での秋葉原では、ソフマップ系列で128GB版が6458円(税込)、256GB版が1万0778円(同。税抜きでは大台割れとなる9980円です)、512GB版が2万1384円(こちらも税を抜くと1万9800円です)、そして1TB版が4万8384円と、非常にお買い得感の高い価格設定になっていました。



ここまで安価だと当然性能が気になりますが、Crucial MX100に対して後発だけあり、なかなかの水準。公式発表ですと「最大リード速度570MB/秒、最大ライト速度470MB/秒」とだけしか発表されていませんが、秋葉原のPCパーツショップBUY MORE(バイモア)が、容量別速度をPOPに記載しています(上図)。

それによると、最大リード速度は容量にかかわらず570MB/秒。ライトに関しては、512GB版と1TB版が470MB/秒。256GB版は最大ライトが310MB/秒に下がり、128GB版が170MB/秒まで下がります(32GB版と64GB版は同店に未入荷のためデータがありません)。

ちなみにMX100は連続リードが550MB/秒、連続ライトは512GB版が500MB/秒、256GB版が330MB/秒。そして128GB版が130MB/秒なので、SSD370はリードで勝ち、ライトでは256GB以上で若干負けるものの、128GB版では勝っているという構図。ただし基本的には大差ではないと言っていいレベルです。



性能で重要なSSDコントローラは、トランセンドオリジナルのTS6500。ただしこのコントローラですが、SSD専門サイトThe SSD Reviewのフォーラムによれば、同コントローラを採用しているMacbook用SSDの取り付けガイド写真から、Silicon Motion製SM2246ENのカスタム版という可能性が高い状況です。

なお、SM2246EN自体は低価格ながら基本性能が高いことで注目されており、このコントローラを採用した代表的モデルであるADATA SP610は、ハードウェアサイトAnandtechのレビューなどでも高い評価を得ています。TS6500もこれに準じた性能を持っていると考えて良さそうです。

さて、バリューSSDというと、搭載されているメモリが低速、つまり非同期型(アシンクロナス)NANDやTLC(Triple Level Cell)タイプになっているのが不安、という方もいそうです。しかしこれらに関しても製品紹介ページで「シンクロナスMLCフラッシュ」と明記されているため、心配は不要でしょう。



また、先述したバイモアでは、容量別のCrystal DiskMark結果を掲載。このデータにおけるライト速度は非同期型メモリでは出せないレベルなので、メモリの種別に関しても安心できそうです。
なお、総書き込み容量などの耐久性データは公開されていませんが、メーカー保証は3年間と他社製品と同じ水準となっています。

総じてSSD370は、MX100と十分対抗できる性能を持ちつつも、ショップによってはさらに低価格。とくにビジネス用PCであればデータを入れても間に合いそうな256GBのSSDが(税抜きですが)1万円割れというのは、かなり強いインパクトがあります。

現状では1TB版が高めな点などは気になりますが、まだ人気から品切れが続いているMX100と並んで、SSDの価格水準を引き下げる人気と実力を備えた製品となりそうな雰囲気です。
トランセンド、256GBで税別1万円を切る SSD370シリーズ発売。512GB版19800円の『大台割れ』価格

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