朝鮮人追悼碑:群馬県が許可更新せず 政治的と判断

毎日新聞 2014年07月22日 21時13分(最終更新 07月22日 23時21分)

追悼碑には「記憶 反省 そして友好」と刻まれている=群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」で、塩田彩撮影
追悼碑には「記憶 反省 そして友好」と刻まれている=群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」で、塩田彩撮影
群馬の森に建てられている追悼碑の碑文=高崎市綿貫町で、塩田彩撮影
群馬の森に建てられている追悼碑の碑文=高崎市綿貫町で、塩田彩撮影

 群馬県高崎市の県立公園内に建てられた第二次世界大戦中の韓国・朝鮮人の強制連行犠牲者追悼碑について、群馬県は22日、碑を管理する市民団体「追悼碑を守る会」に設置許可を更新しないことを通知した。県は、都市公園法に基づき「政治的行事を行わない」と定めた設置許可条件に抵触したことを理由に挙げ、碑の撤去を求めている。同会側は「不服申し立てや訴訟も辞さない」としている。

 大沢正明知事は同日、「集会で政治的発言が行われた結果、追悼碑の存在自体が論争の対象となり、県民が健やかに公園を利用できなくなった」などとのコメントを出した。

 碑は2004年4月に同会が県の許可を得て建立。「朝鮮人に多大な苦痛を与えた事実を記憶にとどめ、過ちを繰り返さない」などと刻まれている。今年1月に設置許可期限が切れ、同会が更新を求めたが、県は政治的発言の可能性を理由に保留していた。

 記者会見した古橋勉・県土整備部長は、集会参加者の「碑文に謝罪の言葉がない」「日朝国交正常化の実現」などの発言について、「政治的と判断した」と説明した。【塩田彩】

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