（レポート）習志野きらっとスプリント（船橋）現地レポート（2014.7.22）

７月２１日（月・祝）　船橋競馬場







大気の状態が不安定な日が続く首都圏。
前日２０日（日）も一部の地域ではゲリラ豪雨がありました。
この日の船橋競馬場も雲の多い１日でした。
でも雨はなく、蒸し暑さに包まれていました。
場内の雰囲気は完全に「夏競馬」です。




この日、盛岡競馬場ではダートグレードレースのマーキュリーカップ（Jpn１）が
行われていましたが、
船橋競馬場でも注目の重賞競走が組まれました。
１１Ｒの習志野きらっとスプリント（Ｓ３）は
「地方競馬スーパースプリントシリーズ」のチャンピオンを決める一戦です。
全国各地の地方競馬から、そのスピードに自信を持つスプリンター達が集結しました。
上位人気馬、そして各地のトライアル勝ち馬を紹介します。




今年で４回目となるこのレースですが、
昨年までの３回はいずれもラブミーチャン（笠松）が優勝していました。
そのラブミーチャンがステップレースとしていたのが、名古屋でら馬スプリント。
今年の勝ち馬ワールドエンド（愛知）にも期待が集まるのは当然かもしれません。
１番人気に支持されました。




２番人気に支持されたユーリカ（船橋）は
川崎スパーキングスプリントの勝ち馬です。
斤量は５４キロ。
恵まれた条件と言っていいでしょう。




３番人気のナイキマドリード（船橋）はトライアルには出走していません。
でも、同じ船橋・ダート１０００メートル戦の船橋記念を３連覇した、
南関東を代表するスプリンターです。
２０１０年のＪＢＣスプリントで２着に入った実績もあります。
意外な低評価となったのは、夏場に使われる事自体が珍しいせいかもしれません。
「暑さとの戦い」という見方をする評論家・トラックマンもいたのですが・・・。




グランシャリオ門別スプリントを制したアウヤンテプイ（北海道）は４番人気でした。
北海道スプリントカップは４着。
道営を代表するスプリンターにとっての課題は輸送と左回り。
克服できれば、実績面で上位の存在となる筈ですが・・・。




この舞台で九州ダービー栄城賞を制した馬の姿を目撃することになろうとは・・・。
エスワンプリンス（佐賀）の園田ＦＣスプリント制覇に驚いた人も少なくないでしょう。
その九州ダービー栄城賞を勝った２０１２年に黒潮盃で３着に入って以来となる
南関東遠征となりました。
もちろん「キングシャーク」こと鮫島克也騎手（佐賀）が手綱を取ります。








レースは横一線のきれいな形でスタートしました。
快速馬揃いのレースですが、
その中でもユーリカとワールドエンドが抜け出して、ハナ争いを繰り広げます。
この２頭が３番手のショコラヴェリーヌ（大井）以下を
やや引き離して逃げる形となりました。
ユーリカとワールドエンドの２頭は相当なスピードの持ち主と言えるかもしれません。






２頭の叩き合いは４コーナー手間でユーリカがワールドエンドを振り切る形で決着。
ユーリカは最後の直線で粘り込みを図ります。
しかし後続にも実力馬たちが控えていました。
この２頭のハナ争いを離れた３番手で見ていたショコラヴェリーヌ、
好位でレースを進めたアウヤンテプイ、
そして更にその外からナイキマドリードが、
残り２００メートルの付近で並ぶ形となりました。








激しい叩き合いはゴール手前まで続きます。
それでも最も脚色が良かったのは一番外側のナイキマドリードでした。
最後はナイキマドリードがショコラヴェリーヌを３／４馬身差交わしてゴール。
鞍上・川島正太郎騎手（船橋）が右手を突き出しました。
今年はトライアルに出走していなかった馬とトライアルで敗れていた馬による
ワン・ツー決着となりました。
逃げたユーリカは３着に粘り込み、アウヤンテプイは４着、エスワンプリンスは７着。
ワールドエンドは９着という結果でした。








船橋・ダート１０００メートルという舞台が最も似合う馬は
ナイキマドリードなのかもしれません。
この結果にそんな印象を抱いたのは私だけではないと思います。
各地から勢いのあるスプリンターが集結する中、
ナイキマドリードはその全てを跳ね返して、王者の座を守りました。
苦手と言われる「暑さ」に対して、厩舎スタッフは万全の体制を取っていたようです。
鞍上の川島正太郎騎手からはそんなスタッフに対して、
感謝のコメントを残していました。