マレーシア航空機撃墜事件とイスラエル軍ガザ侵攻の報道
これまでのところプーチン大統領は、「撃墜事件が起きた国ウクライナ政府に責任がある」とだけ言っている。“主権国家ウクライナの政府が武装勢力との停戦に応じていれば撃墜事件は起きなかった”、とか、“領空が危険な状態であることを国際民間航空機構に連絡しなかった”(連絡してれば事故は防げた筈だ)、と繰り返しているように思える。
如何にも苦しい言い訳だ。
ロシアのテレビも、専ら新ロシア武装勢力の言い分を報じている。ロシアのテレビでは、まるで黒が白になり、白が黒に報道されるのだから、背景を考慮しないで視聴していると事件全体を甚だしく誤解してしまう。
これに対しウクライナ政府は、“誤って民間機を内落としてしまった”という武装勢力と、“それは犯罪だ”というロシア諜報機関との間の交信をいち早く公表、更にウクライナ政府が、撃墜事件後、ミサイル・システムを搭載した車両がロシア領に向けて急いでいる映像を公開している。
アメリカのケリー国務長官は米メディアの共同会見で、新ロシア武装勢力がミサイルを発射した場所と、その軌跡も確認している、と言明している。
プーチン大統領からの説得力ある反論が聞こえてこない。
クリミヤ半島併合の際、ロシア製の重火器を携帯し、ロシア軍の制服や戦闘帽を身に付けた集団が跋扈した時、プーチン大統領は“ロシア軍の重火器や制服は国内の市場で幾らでも買える”と言ってロシア政府機関の関与を否定した。
チェチェンやモスクワからロシア国籍を持つ武装集団が入っていると批判されると、無視していた。
しかし今や新ロシア派武装勢力は高射砲や高度なミサイル・システムを保有している。幾ら武器が市場で入手可能でも、ミサイル購入までは不可能だろう。もし可能であるのであればロシアはリビアやイラクなど紛争が続く国と同じ治安状況なのだろう。
ロシア武装勢力は、ミサイル・システムをウクライナ軍から奪ったと言われるが、それだけで実戦使用は不可能だ。幾ら高性能と言っても空中を高速で飛んでいる物体を撃墜するのは熟練者にも簡単ではない。ロシア軍などの協力なしに2万メートル以上を飛ぶ航空機をミサイルで撃墜するのは至難の業だ。