ライフハッカー編集部 - ショッピング,生活,社会,科学 09:00 PM
スローなBGMだとたくさん買い物する:研究結果
小売店は、あの手この手で買い物客を操ろうとします。目の高さにある棚に比較的高価な商品を陳列するとか、商品の実物を手にとってもらう機会を作るなど、使われるテクニックは実にさまざまです。さらに、「Journal of Marketing」誌に発表された研究によると、ショッピングの最中に耳に入って来る音楽のテンポも、購買行動に影響を与えるようです。
この研究は、テンポの速い音楽をかけると、買い物客が店内を行き来するスピードが増し、スローテンポな音楽だと逆にゆっくりになると報告しています。さらに、ゆっくりした音楽は売り上げの増加、テンポの速い音楽は売り上げの低下と相関関係があることが判明しました。多くの店舗ではこの手法を利用し、ゆっくり目の音楽をBGMにして買い物客の歩みをスローダウンさせ、よりたくさんお金を使ってもらおうとしています。
この研究を行った米ウエスタン・ケンタッキー大学の教授でマーケティングが専門のRonald E. Milliman博士は、BGMなし、ゆっくりした音楽、速いテンポの音楽という3つの状況を設定し、それぞれが買い物客の行動にどのような影響を及ぼすかを調査しました。調査に協力した店では、9週間にわたってさまざまなテンポの音楽を流しました。この研究では、ゆっくりした音楽とは72BPM以下の曲、速いテンポの音楽とは94BPM以上の曲と定義しています。また、男女の歌声の違いによる影響を排除するため、インストゥルメンタルの音楽が選ばれました。
それでは、店舗で流れるBGMに影響されることなく、自分のペースで買い物を進めるにはどうしたらいいのでしょうか。まずは、この研究結果について意識してみるだけでもいいかもしれません。また、ヘッドフォンで自分が選んだ音楽を聴きながら店に入る場合、手っ取り早く買い物を済ませて無駄遣いを抑えたいなら、速いテンポの曲を選ぶようにすると効果的でしょう。ほかにも、時間を常に確認する、あるいは誰かに一緒に店に行ってもらうといった簡単なことでも、BGMに影響されずに買い物に集中できます。
Using Background Music to Affect the Behavior of Supermarket Shoppers|Journal of Marketing via WonderHow-To
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