一部に「はてなだからIT系に強い」という思い込みがあるが、人力検索時代は「はてな=IT」でもないし、技術者は普通にStackOverflowを使う。
質問サービスは、OKWave連合が一大勢力となり、それに辛うじて追従しているのはYahoo!知恵袋程度で、人力検索はてなは完全に駆逐されている。
個人サイトがアンテナとしてはてなを重宝していた時代があり、アンテナのためにはてなidを持っていたというユーザーも相当数いた。
現在ではアンテナユーザーは激減しており、デザインも90年代のまま止まっている。
アンテナサービスは後に「相互RSS」と呼ばれるアクセスアップ手法として確立し、主に2chまとめ方面でよく見られる。
ドリコムがサービスを停止した後、現在はライブドア一強となっている。
初期のはてダは、ハロプロ系テキストサイトが一大勢力を築いていたが、彼ら先住民の歴史は闇に葬られている。
おとなり日記とはてなキーワードによる共通の話題の結びつけから、コミュニティが生まれていった。
はてなキーワードによる自動リンクは、「暑いをキーワードにするべきか」「サークラというレッテルはやめるべきだ」とかどうでもいい軋轢を生んだ挙句、空気化した。
既にユーザーが編集することは稀で、はてなが雇った時給バイトによるキーワード追加が、業者と勘違いされる程度に過疎っている。
影響力のあるブロガーとして、「アルファブロガー」という言葉が流行った時代。
http://alphabloggers.com/alphabloggers/2004/
元は徳力氏が始めたアルファブロガーアワードで、別にはてなと特に関係はないが、「はてな界隈」に含められることが多い。
人によっては致死性の黒歴史成分を含むのかもしれない。この辺の騒動としては、泉あい絡みが面白かった。
DeliciousとかDiggが流行ってたころにそのクローンとして生まれたのがはてブであり、現在でもはてなの主力サービスとなっている。
海外のWebサービスの隆盛に興味を持っていた層が流入したことで、「ITリテラシの高いユーザー層が集まる」という評価が形成される。
まだ無断リンク禁止の慣習が残っていたことからはてブのシステム自体への反発もあり、「モヒカン族」や「儀礼的無関心」の議論に通じていく。
また、「死ねばいいのに」を代表とするネガコメも大きな問題となった。
はてなグループとして、モヒカン族や断片部が一大勢力を誇っていた時代。個人的に思い入れのある「はてな」の最盛期。
はてなグループとは、はてなのタスク管理システム「あしか」を主軸としたグループウェア。アンテナ同様、現在はほとんど放置されている。
「変な会社のつくりかた」や「Web進化論」を片手にワナビーが集っていた時代とも言える。
技術原理主義者を標榜するモヒカン族が台頭したが、当時からその定義は曖昧で、メタモヒカン族だのと様々な造語を生み出した。
今となっては、「良く分からないけど、はてな民は手斧を持っている」程度の認識でしかなさそう。
断片部が何なのかは未だに良く分からない。トピックツリーの盛り上がりは後のハイクに通じるものがあった。
わんわんワールドを作ったり、シリコンバレーに遠征して帰って来たりしていた時代。
「Web2.0」がただの幻想だと気付き、夢から醒めた人が続出したのだろうか、「村民」はここを期に断絶している印象。
シリコンバレー遠征の成果である「はてなスター」は特に目新しさはないが、後のFBのLike!やTwitterのFavの先駆けたものという点は評価できると思う。
ニンテンドーDSのうごくメモ帳によって小中学生ユーザーが大量に流入した時代。
独自のはてなスター文化圏を形成し、DSで作られたとは信じがたい作品も多数あった。
ただ「はてな村」を語るときにうごメモユーザーを含める向きはほぼないし、当のうごメモユーザーもはてなと任天堂を特に区別していなかっただろうと思う。
多くのはてブユーザーがTwitter+はてブ連携を選んだため、あえてハイクを利用するメリットというのはほとんどなかった。
しかし手軽にイラストが描けるという特徴から、うごメモ界隈とはてな村の中間の独特のコミュニティを形成した。
同時期に「インターネットの2階」だの多数のコミュニティを作っては破棄していった中で、稀有な成功例と言える。なお、ハイク2は爆散済み。
任天堂との継続的な付き合いがなくなると、残存しているサービスで主力であるはてブのテコ入れが繰り返された。背景には広告代理店の存在があったと思われる。
そのため既存ユーザーからしてみると改悪としか思えない修正ばかり入り、はてブボタンのトラッキングクッキー問題などに発展したケースもある。
B!Kumaの強力なプッシュもテコ入れの一貫として行われたものと思われる。
「女子向け」として発表されたB!Kumaアプリは、大量の広告費を掛けてユーザーを獲得したものの、既存ユーザーからしてみるとスパム集団にしか見えず、
またここで流入した層ははてブなど知らないため、ブックマークした記事やコメントがネット上に一般公開されていたことが問題視され、不気味がって退会していった。
iOS6辺りにアップデートするとクラッシュするバグを放置したり、デザインが重視される女子向けアプリにも関わらず、iOS7リリース後も長らくiOS4互換表示だったりと、
順調にユーザーを減らし、現在ではプライベートモード表示がデフォルト化していることもあって、ホッテントリを席捲したクマアイコンを見かけることは貴重となった。
B!Kumaユーザーもはてな村を語る文脈では無視されていることが多い。
スマートニュースなど現在のニュース系アプリの流行を先駆けた動き自体は評価されても良かったのかもしれない。
今はこの辺り。
はてな冬の時代を乗り越えたアルファブロガーと、「我々今のはてなユーザーこそはてな民だ」とするサードブロガー間が対立しているような構造。
思うに、無名id同士の繋がりがあったからこそ、著名idという概念が成立しえたのであって、
根底となるコミュニケーションが存在しない今、新しいidがオフで馴れ合っても、懐かしいidが昔語りしても、それは村でもなんでもないと思うんだよね。