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陳情第179号
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広島東洋カープ球団の経営透明化を求めることについて |
新しい広島市民球場(俗に言う新球場)が開場して以来、今年2014年春で5年が経過している。
新球場の主たる使用者は「株式会社 広島東洋カープ」である。広島市とカープ球団は2008年5月23日に「新広島市民球場をカープ球団がプロ野球の本拠地球場として使用すること等に関する協定書」、いわゆる、フランチャイズ協定を締結している。
また2009年3月31日には広島市とカープ球団の間で「新広島市民球場の管理に関する基本協定書」(以下、管理協定)を締結した。これによりカープ球団は2018年度まで指定管理者として新球場を管理することになっている。
そして新球場は広島市民・県民の強い要望もありカープ球団の経営安定を図るため、公費を投じて建設されたものであり、広島市が2007年5月に作成した「広島市新球場(仮称)事業計画」によると建設費のうち、35億6,600万円については球場使用料をもって償還することとなっている。
以上のことから、新球場の運営及びカープ球団の経営は広島市の事業と言っても過言ではなく、極めて公共性の高い事業であることから透明性が求められるべきであり、その実態は市民に公開するべきものである。
新球場使用1年目である2009年度、カープ球団の売上高は前年の71億円から46億円増加の117億円を記録した。半面、純利益は僅か1億8,000万円増加の4億円にとどまった。この理由についてカープ球団は、2010年3月26日付け「中国新聞」によると「新球場移転により人件費や警備費用、設備投資が必要となった」と説明しており、同30日開催の広島市民球場運営協議会においても、同様の説明をしている。
この解明のため、市民有志が広島市に公文書開示請求を行い、管理協定第28条に基づきカープ球団が広島市に毎年提出している「広島市民球場事業報告書」を入手した。これによると2009年度の新球場の維持管理費は2億2,800万円であるが、この中にはカープの試合に関する人件費や警備費用も含まれている。なお、新球場の毎年の維持管理費は約2億3,000万円となっている。
また2009年3月28日付けの「中国新聞」によると新球場への設備投資には約22億円必要であり、地元金融機関がこの額をカープ球団に融資したとある。カープ球団が毎年、「官報」に掲載している決算公告を見ると球団が旧広島市民球場を本拠地としていた2008年度については年間の負債額は約24億円であった。一方、2009年度については37億円と例年より13億円増加している。
これらの金額については「官報」の2009年4月14日及び2010年4月14日に記載がある。
以上の事実を見ても、新球場移転により経費が大幅に増加したとするカープ球団の説明には何の裏付けもないことが判明している。新球場の運営及びカープ球団の経営は非常に公共性が高い事業であり、原則公開されるべきものであるが、カープ球団及び広島市のホームページにても詳細な説明はほとんどない。
また広島市公文書館及び広島市立中央図書館郷土資料室には広島市が行う事業及び市が所管する各種法人の詳細な事業報告並びに財務諸表等が置かれているが、カープ及び新球場に関するものは全く置かれていない。これは情報公開という点からして極めて異常な事態と言わざるを得ない。
ついては、我々、市民有志はカープ球団の経営実態の解明を行うよう、広島市議会に陳情する。