7月16日 NATROMの日記 近藤誠氏による乳がんの生存曲線のインチキを解説してみる
NATROMの日記に、近藤誠氏による乳がんの生存曲線のインチキを解説してみるという7月16日のエントリーがあります。
が、まだ誰からもコメントがないようですので、私が初コメントしてみます。
NATROMさんは「それなりの知識がある人がみれば、近藤誠氏によるインチキはだいたい予想がつく。」ありますが、これは逆ではないでしょうか?
私も近藤誠さんの著書は読んだことはあります。確かに内容は面白いのですが、正直言ってすべてが本当とは思えませんでした。が、このエントリーを読んで、やはりほとんどが正しいのかもしれないと思えるようになってきました。
以下に、その理由を書いてみます。
このNATROMさんの説明をそのまま受け取ると、グラフ1のAの25.6%は転移性でない(乳?)がんということになります。
Bの50%生存期間は0.96年です。Aの0.96年経過時の生存率は、グラフを見るとだいたい85%ぐらいです。
ここで、極端な例として、Aの転移性でない25.6%の人がすべて転移性のがんで、0.96年経過時に全員死んでしまうと仮定します。すると、Aの0.96年経過時の生存率は85%-25.6%=約60%です。結局、0.96年経過したAの生存率は60%以上、Bの生存率は50%ですから、明らかに抗がん剤で寿命が縮まることになります。
【2】
結局、このNATROMさんの上の2つの説明は明らかに間違っていることになります。
もっとも、私は医学は素人なので、本当は違うのかもしれません。しかし、このNATROMさんの説明がおかしいことは事実です。
繰り返しになりますが、私は医学は素人です。ただ、根拠となる数字がおかしいのは誰にでもわかる話です。それなら、NATROMさんは、グラフを無視して、初めから比較なんか無意味だと書くべきではないでしょうか?
また、NATROMさんが根拠にしている、
■近藤誠氏への反論|がん治療の虚実
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/theme-10030731337.html
とは全く逆の見方が紹介されているページがあります。
■日本と欧米の認識の差
http://www42.tok2.com/home/leftyyas/n.htm
私にはどちらが正しいのかわかりませんが、少なくともNATROMさんが、欧米の大多数の見解(?)を無視する意図がわかりません。
こうなると、「糖質制限」と同じで、日本の「標準医療」が間違っている(のに訂正しない)、という考えも一概に否定できないのではないでしょうか?
が、まだ誰からもコメントがないようですので、私が初コメントしてみます。
NATROMさんは「それなりの知識がある人がみれば、近藤誠氏によるインチキはだいたい予想がつく。」ありますが、これは逆ではないでしょうか?
私も近藤誠さんの著書は読んだことはあります。確かに内容は面白いのですが、正直言ってすべてが本当とは思えませんでした。が、このエントリーを読んで、やはりほとんどが正しいのかもしれないと思えるようになってきました。
以下に、その理由を書いてみます。
このエントリーのポイントは2つあると思います。
【1】
出典の記載の誤りは単純ミスかもしれないが、近藤誠氏の誤りはそれにとどまらない。「A 約100年前の対症療法のみの乳がんの生存曲線」は、原典にあたってみたところ、全250例中、Stage 2が6例(2.4%)、Stage 3が58例(23.2%)含まれていた。これらの症例は入院時点では臓器転移は確認されていない。「グラフ1は臓器転移がある乳がん患者の生存曲線です」という近藤誠氏の説明は嘘である。一方、「B 抗がん剤の乗り換え治療の生存曲線」の患者は全例、転移性乳がんである。しかし、この説明に納得できる人は少ないでしょう。
このNATROMさんの説明をそのまま受け取ると、グラフ1のAの25.6%は転移性でない(乳?)がんということになります。
Bの50%生存期間は0.96年です。Aの0.96年経過時の生存率は、グラフを見るとだいたい85%ぐらいです。
ここで、極端な例として、Aの転移性でない25.6%の人がすべて転移性のがんで、0.96年経過時に全員死んでしまうと仮定します。すると、Aの0.96年経過時の生存率は85%-25.6%=約60%です。結局、0.96年経過したAの生存率は60%以上、Bの生存率は50%ですから、明らかに抗がん剤で寿命が縮まることになります。
【2】
この仮想的な事例では、「症状が生じた時点」と「無作為割り付けされた時点」との間に、4年6ヶ月の開きがある。抗がん剤のセカンドライン治療の臨床試験に参加する患者群はすでに他の治療を受けてきたため、「症状が生じた時点」(あるいは検診で無症状で発見されたケースでは「放置していれば症状が生じたであろうという時点」)から何年も経っているのが通常である。現代で「患者の余命が短くなっている」のではない。そもそも現代でなかったら大多数が死亡したであろうという患者を対象にした臨床試験なのだ。では、Aの起点を4年6ヶ月後にずらすことにします。ここでも、0.96年経過したBの生存率は50%です。ではAの0.96年後の生存率はどのぐらいでしょう。グラフを見ると、Aの4年6ヶ月後の生存率は約20%、その0.96年後の生存率は約15%ぐらいでしょうか。つまり、Aの起点を4年6ヶ月後にずらすと、0.96年後の生存率は約70%ですから、これまた明らかに抗がん剤で寿命が縮まるというしかありません。
結局、このNATROMさんの上の2つの説明は明らかに間違っていることになります。
もっとも、私は医学は素人なので、本当は違うのかもしれません。しかし、このNATROMさんの説明がおかしいことは事実です。
近藤誠氏は「膨大な数の論文を読み込」んだそうである。にも関わらず、こうした誤りを犯したのだとしたら、とんでもないボンクラだと言わざるを得ない。とありますが、ひょっとしてこの言葉はそのままNATROMさんにあてはまるのでしょうか?
繰り返しになりますが、私は医学は素人です。ただ、根拠となる数字がおかしいのは誰にでもわかる話です。それなら、NATROMさんは、グラフを無視して、初めから比較なんか無意味だと書くべきではないでしょうか?
また、NATROMさんが根拠にしている、
■近藤誠氏への反論|がん治療の虚実
http://ameblo.jp/miyazakigkkb/theme-10030731337.html
とは全く逆の見方が紹介されているページがあります。
■日本と欧米の認識の差
http://www42.tok2.com/home/leftyyas/n.htm
日本人は癌ではないものを癌として治療しているのだという主張素直に読むと、欧米では近藤誠さんのような見解が大半だと言うことでしょう。
高分化腺癌の病理学的診断基準か日本と欧米で異なることがLancet誌に発表されて以来欧米人の心に疑惑が巣食っている.「欧米でdysplasiaと呼ぶ非浸潤病変を日本では癌として治療している、成績か良いのは当然だ」という皮相な解釈が横行した。しかし粘膜内で浸潤を示さないさない癌はごく一部であり日本の治療成績が高いことに変わりが無いのです。
また欧米では術前に早期胃癌と診断されることはほとんどない.切除後の病理診断で初めて早期胃癌と判明する.よって今日本で行われている内視鏡的粘膜切除(早期の1部に適応あり)も日本から数多くの英語論文か出版されているにもかかわらず、上記の思い込みから十分理解されてておらずよって欧米人は大きな損をしているのだ。
私にはどちらが正しいのかわかりませんが、少なくともNATROMさんが、欧米の大多数の見解(?)を無視する意図がわかりません。
こうなると、「糖質制限」と同じで、日本の「標準医療」が間違っている(のに訂正しない)、という考えも一概に否定できないのではないでしょうか?
2014-07-18 23:17
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