中国:盧溝橋事件77年 習主席演説で安倍政権をけん制
毎日新聞 2014年07月07日 20時40分
◇「依然として少数の者が歴史事実を無視」とも
【北京・石原聖】日中戦争の発端となった盧溝橋事件(1937年)から77年となった7日、北京市郊外の盧溝橋近くに建つ歴史展示施設「中国人民抗日戦争記念館」で式典が開かれた。習近平国家主席は「依然として少数の者が歴史事実を無視し、侵略の歴史を否定、美化して(中略)地域の緊張をつくり出している」などと演説。名指しこそしなかったが、歴史問題などを念頭に安倍政権をけん制した。
中国メディアによると、「77年」という節目でない時期に大規模な式典を開き、最高指導者が出席するのは初めて。式典は国営中国中央テレビ(CCTV)などが中継。安倍政権が「歴史を歪曲(わいきょく)している」などと批判する識者の見解も伝えた。
中国政府は今年2月、9月3日を「抗日戦争勝利の記念日」、12月13日を「南京大虐殺犠牲者への国家哀悼の日」とそれぞれ制定。「抗日戦勝70年」と位置付ける来年に向け歴史問題で日本批判を強める可能性がある。
式典には軍関係者のほか小中学校の生徒らが参加。7日付の中国紙によると、各地でも記念行事が行われ、江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」は、南京事件などの戦争犠牲者を追悼するウェブサイト「国家公祭網」を開設したり、事件被害者の遺族の登録活動を始めたという。