JR京浜東北線 上中里駅を降りて、ゆるかな上り坂を7分ほど歩いた場所に旧古河庭園はあります。「古い時代の洋館にときめきを覚える人は行ったほうがいい!」と力説したくなる素敵な建物とお庭でした。
旧古河庭園の入口を入るとまず目に入るのがこちらの洋館。赤みを帯びたレンガと白い窓枠のコントラストが美しい。古河財閥(足尾銅山の開発や古河機械金属、富士通などでおなじみ)の三代目当主である古河虎之助男爵一家の邸宅でもあったそうです。
こちらの写真は洋館の古めかしさが強調されるよう、「曇り」モードで赤みを増して撮ってみました。
そして、こちらが入口側。
往復はがきで事前にガイドツアーに申し込むことで、洋館建物内に入ることができます。…が、花のシーズンが終わってて空いてたからか、当日申し込みでも入れました。
入口のドアはステンドグラスになっていて、古河家の家紋の「つた」がデザインに組み込まれています。
この石造りの洋館は財閥解体後にアメリカ軍に接収され、上級官の独身寮として使われていたそうです。返還後は管理人のいないまま放置され、外壁にはつたが絡まってレンガが見えない状態だったのだとか。どうもこの家紋との因縁を感じてしまいます。
この洋館の面白いところは、和洋折衷ではなく「和のエリア」と「洋のエリア」がグラデーション状に分かれているところ。2階の洋風のロビーに面するドアを開くと、板張りの廊下があります。廊下に面している障子を開けると、畳張りの和室が見えるという寸法です。廊下というクッションを置くことで、洋風の部屋と和風の部屋が違和感なくつながっているということです。*1
洋風の部屋はえぇと、アレだ。森薫先生のエマとか好きな人は、絶対テンション上がる。暖炉!ロマンティックな壁紙と腰壁!シャンデリア!!この建物にいたのは女中さんなのだけど、メイドさんと呼びたくなりますね…。
部屋には古河虎之助男爵の写真も飾られていたのだけど、身長180cmで夏目漱石似のイケメンでした。*2
ちなみに庭を眺めながらお茶を飲むこともできるよ。
さて、和と洋がいいかんじに隣り合ってるのは洋館だけではないんです。庭も洋から和へと段階的に変わっていきます。
フランス風のお庭があって、その先の鬱蒼とした林を抜けると日本庭園エリアになります。
なぜか灯篭がやたらとあるのが面白い。元々の持ち主である陸奥宗光伯*3の趣味なのか、庭師の植治*4の趣味なのか…?ガイドさんに聞いてみればよかったなあ。
基本情報
東京都北区西ヶ原一丁目
開園時間:午前9時~午後5時 (入園は午後4時30分まで)
入園料:
一般及び中学生 150円
65歳以上 70円 (小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料)