グラボボ=石田博士 ハリコフ=渡辺志帆、キエフ=喜田尚 ジュネーブ=松尾一郎
2014年7月21日05時27分
マレーシア航空機が撃墜されたウクライナ東部の現場に20日午後、陸路で入った。
見渡す限り一面を鮮やかな黄色に染めるヒマワリ畑ののどかな田園地帯の道沿いに、十数キロにわたって機体の破片が点在していた。
しばらく走ると、機首の残骸が目に入った。車を降りると、小さなぬいぐるみが並べて置かれているのが目に飛び込んできた。
多くの子どもの遺体が、ここ、ラシプノエで収容された。機体から落ちたり、近くの住民が犠牲になった子どもたちを悼んで持ち寄ったりしたものだという。
そこからさらに約6キロ東に進むと、多くの残骸があるグラボボに着いた。バリ島のガイドブック、ダイビングの機材、サングラス。夏の旅を思わせる品々が、広大な小麦畑の一角に集めて置かれていた。そばには収容を待つ複数の遺体が置かれていた。
現場で目についたのは、国際的な調査団を見張るように、付きっきりで動き回る親ロシア派の武装兵たちだった。
大人の背丈ほどあるヒマワリ畑のなかで、欧州安保協力機構(OSCE)の調査チームが残された機体などを調べていた。周りでは、迷彩服姿の親ロシア派の武装兵たちが、自動小銃を手に目を光らせていた。調査チームが移動すると、親ロシア派が車列の前後を固めて走った。調査チームの一つひとつの動きを監視していた。(グラボボ=石田博士)
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朝日新聞国際報道部
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