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セブン銀行印紙税節約記事事件〜はてブ民のクソさと印紙税取扱い解説〜

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大手銀行はATMを利用される度に印紙代を負担している反面、セブン銀行は用紙に工夫をすることで印紙代を払っていない…

大手銀行は多額の印紙税を払い、セブン銀行は払わない…という記事を読んで、賢いな~と思った話。課税対象にならない利用明細書で対応。 – クレジットカードの読みもの

上記記事をまとめると「セブン銀行ATMの取引明細を見てみると、印紙税の課税対象にならないようになっていますよ〜」ということなのですが、はてなブックマークを見てみるとひどいことになっていたので紹介します。

セブン銀行印紙税節約記事事件

事件概要

  1. 「ビズオーシャン」にて税理士の田辺氏執筆のセブン銀行の賢い印紙税の節約が掲載される。
  2. 上記田辺氏の記事を「クレジットカードのよみもの(cardmics氏運営)」が紹介。
  3. cardmics氏の記事内容が誤っているとして罵詈雑言ブクマが集まる。

※田辺氏、cardmics氏の記事内容の正確性について検討した結果、特段の誤りはなかった。

この事件のポイント

  1. 田辺氏、cardmics氏の記事の正確性と印紙税の取扱い
  2. cardmics氏のブログを叩きたいだけのはてブ民
  3. 記事に特段の誤りがなかったのにもかかわらず叩かれたcardmics氏
  4. 何も悪くないのに、なぜか間接的に叩かれる形となった田辺氏

記事内容の正確性・印紙税の取扱いについて

まず、印紙税は印紙税法別表第一の第1〜20号に該当する文書に課されます。ここでは第14号文書と第17号文書について見てみましょう。

印紙税法別表第一 第14号(必要部分のみ抜粋)

課税物件 金銭又は有価証券の寄託に関する契約書
定義 記載なし
課税標準・税率 一通につき二百円
非課税物件 記載なし

印紙税法別表第一 第17号(必要部分のみ抜粋)

課税物件 1 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書
2 金銭又は有価証券の受取書で1に掲げる受取書以外のもの
定義 1 省略
課税標準・税率 1 売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書で受取金額の記載のあるもの・・・省略
2 1に掲げる受取書以外の受取書 一通につき 二百円
非課税物件 1 記載された受取金額が五万円未満の受取書
2 省略
3 省略

みなさんがお仕事などでよく使うであろう領収書は「金銭の受取書」ということで第17号に該当します。そうすると、このATMの取引明細も結局のところ銀行側がお金を受け取った証ですので、第17号文書に該当するという考え方もあるでしょう。しかしながら、一方で銀行への預け入れというのは寄託にあたるので第14号文書に該当するという考え方もできます。

このように複数の文書に該当する場合、どう考えればよいのでしょうか。印紙税法別表第一の課税物件表の適用に関する通則はこのようになっています。

別表第一 課税物件表の適用に関する通則
・・・(省略)・・・
ハ 第三号から第十七号までに掲げる文書のうち二以上の号に掲げる文書に該当する文書は、当該二以上の号のうち最も号数の少ない号に掲げる文書とする。・・・(省略)・・・

印紙税法

今回の事例で言うと、第14号と第17号の2つの号数に該当するので、最終的には第14号であるという結論になります。

また、国税庁の見解を示す印紙税法基本通達でも以下のように取り扱うとされています。

印紙税法基本通達<第十四号文書>
(現金自動預金機等から打ち出される紙片)
6 現金自動預金機等を利用して預金を行う場合において、預金の預入れ事実を証明するため、当該現金自動預金機等から打ち出される預入年月日、預入額、預入後の預金残額及び口座番号等の事項を記載した紙片は、第14号文書(金銭の寄託に関する契約書)に該当する。

第9号文書|通達目次/印紙税法基本通達|国税庁

セブン銀行の利用明細は取引後の金額が記載されるだけで取引金額は記載されないので、金銭の寄託契約書にはあたりません。第14号文書でないのなら、第17号に該当するかどうかも検討しなければなりせんが、これまた取引金額が記載されていないので「金銭の受取書」には該当せず、印紙税は課されないということになります。

(取引後残高のみを記載した紙は第1〜20号文書のいずれにも該当しない、と言ったほうがわかりやすいかもしれません。)

cardmics氏を叩きたいだけのはてブ民

cardmics氏の記事のブクマを見ると、ちゃんと理解している方もいらっしゃいましたが、デマだのバカだの詐欺だの死ねだの・・・死ねとは言ってませんでしたが、罵詈雑言の嵐になっております。

「100円玉をATMで入金した場合には、銀行は100円預かるために200円の収入印紙代を負担」酷い間違い。デマを拡散するな。銀行・郵貯も17号受領書 http://goo.gl/idmVQc で5万まで非課税。14号の所今はないだろ。 元blog共々間違い。

このブログほんと要らない。はてなさんはホッテントリのフィルタ昨日早く実装してくれ。

デマ(間違い)かよ。やっぱこのブログダメだわ

しれっとウソを書いてPVを稼ぐ詐欺ブログスタイル

早く記事を消して

そもそも5万円まで非課税(こないだ課税限度額が上がった)なんだけど、100円で印紙ってバカ?って書こうとしたらすでに書かれていた件

いや〜、ネットは殺伐としていたほうが面白い、面白いんですけれども、さすがにひどくないですかね?ホッテントリのフィルタ機能は確かに必要だとしても。

前述のとおり、取引金額などが揃った取引明細であれば第14号文書に該当します。もう一度、別表第一の第14号を見てください。第14号文書に非課税物件は存在しません。つまり、金額がいくらであろうと一律200円の印紙税が課されることになります。

最近、改正により3万円未満非課税から5万円未満非課税に変わった・・・というのは第17号文書の話であることをもう一度確認していただきまして、正しい納税を行っていただきたいと思います。

なぜ「クレジットカードの読みもの」はここまで叩かれたのか

正直、この点についてはよくわかりません。よくわからないのですが、もしかすると素行が悪いといいますか、独善的な運営を行っていたとか、かねてから正確性に欠ける記事を乱発していたとか、そんな事情があるのでしょうか。これは単なる推測ですから、あんまり気にしないていただきたいと思います。

はてブを中心に敵が多いように見受けられますので、うまく舵を取りながら、今後も良質な記事を作成していただければと思います。楽しみにしております。

何も悪くないのに間接的に叩かれた田辺氏

最後に、不慮の事故に遭われた田辺氏に哀悼の意を表し、この記事を締めたいと思います。ありがとうございました。

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