TOP  JBNについて ニュースレター JBNプロジェクト  ボランティア  調査研究

 

JBNニュースレターvol.6 no.14 2003年 7月14日発行

リオ市のゴミ採取業に連日数万人の大行列

 さる6月22日から7月4日までの間、リオデジャネイロ市のゴミ収集公社Comlurbの従業員募集の受付に、連日、数万人の大行列ができた。有名なリオのカーニバル会場(約750m)で登録は行われたが、このサンバ会場沿道をはるかに超え、行列が5kmに達する日もあった。この受付期間の間に約13万人が登録された。初日には、警官隊が出動し、催涙ガス弾が使用されるほどの大きな混乱となった。

 ゴミ採取業という職業、皆が良く知る、毎日、市内のゴミを回収したり、清掃したりする仕事である。誰もが嫌がる、いわゆる3K労働である。一ヶ月の収入は、610レアル(約220ドル)、それに交通費と、保険が付与される。今回、この行列に耐えて、登録を終えても仕事が確保されるというわけではない。リオ市長によるとこれから3回選抜が行われる。ゴミ採取人は毎年800人〜1500人の雇用があり、実際に何人が雇用されるか分からないが、100倍から150倍ほどの倍率になる。
(様々な数字が飛び交っているため、確定的な数字はわからない。) この行列の中には、大学を卒業した高学歴のものから主婦まで老若男女様々な人々がいた。「勉強しなければ、ゴミ拾いくらいしか仕事がなくなる」といわれてきたものも多いはずであるが、現実では大学卒業してまでもゴミ拾いの職を得るためにならんでいる。それほど、リオデジャネイロでの失業は深刻なのである。

 あるものは「ゴミ拾いだって、はずかしくはない。仕事が欲しいの、安定した収入が必要なの!」と語る。
まだ、4ヶ月の赤ん坊を抱きながら並ぶ母親もいた「この子がぞうりが必要になってもかってやれないの」と。
 中には刑務所から一年前に出所し、工事現場で、期間限定の仕事が終了するも のもいた。この職での再出発をめざして並んでいた。
 即席でベッドをつくって泊り込んでいたものもいた。彼は、「犠牲(泊り込み)を払わなければ、何にも解決しない。失業ってのは簡単なものじゃねえんだ!」と
語った。
 リオデジャネイロ州の失業者数は、479,000人といわれているが、その深刻な状況を如実にあらわす現象となった。リオデジャネイロ市内は、昨今、麻薬組織の暗躍により、治安が悪化しているといわれいるが、このような苦学しても報われないという現状が、社会の不安定化の一因になっていることは否定できない。

*本記事は、7月23日から7月5日までのリオデジャネイロ地元新聞、O GLOBO紙、O DIA紙、テレビ報道を下に編集しました。


過去の関連記事・報告はこちらをクリックすると読めます。


本ホームページに掲載されております記事に関する権利は、
署名記事についてはすべて筆者が有しております。
匿名記事、その他特に明記されていない場合は
すべてJBNホームページ制作・管理委員会に帰属します。
転載・引用される場合は
下記連絡先までご一報いただけますと 助かります。

このページにリンクを張ることは自由です。


申し込み・問い合わせは下記の事務所宛に、ご連絡ください:

連絡先
TEL:050-5534-5618
FAX:020-4622-6401


MAIL: brazil@japan.nifty.jp