東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 特定秘密保護法 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【特定秘密保護法】

<私の疑問> 家族の国籍 なぜ調査

写真

◆東京都江東区 李(リ)ミヤジャさん(65)

 今、日本には多様な国籍の子どもが暮らしています。父が戦前に来日した在日韓国人二世で、日本人と結婚した私がなぜ韓国籍を選び、李という名で生きているかを考えると、そういう子どもたちが生きやすい社会に少しは役立てれば、という思いがあります。

 適性評価で家族の国籍を知り、それから何を調べるのでしょうか。国家が調べるというだけで、一般の人たちの間で外国籍の人を色眼鏡で見る雰囲気が広がるのが心配です。

 私自身は江東区で子育てし、参政権はなくても思いを届けてくれる人を区政に送り込んだりして、地域にたくさんの日本人の友人がいます。殻を破って生きてきたつもりですが、そんな私でも萎縮してしまうかもという不安がよぎります。

 これまでも北朝鮮との関係が悪化すると、日本で暮らす朝鮮籍の人びとが攻撃されたりした。適性評価が、地域社会の中で人と人とをつなぐ糸を断ち切るようなことにならないでしょうか。

<どうなる?>プライバシーの侵害も

 秘密を取り扱う人が漏らす恐れがないかを調べる適性評価では、親きょうだい、配偶者、子どもなどについても調べる。内閣情報調査室の担当者は「家族などの情報は本人の周辺情報として名前、生年月日、住所、国籍だけを申告してもらう」と述べ、国籍について「特定の国だからといって、それだけで判断するわけではない」とする。一方、「家族を通じて外国の情報機関などとの接触が確認されれば、家族も調査せざるを得ない」という。日本弁護士連合会などは、適性評価はプライバシー侵害の恐れがあると批判している。

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo