7人制ラグビー:女子高生に人気拡大 五輪へ「ラガール」
毎日新聞 2014年07月20日 09時49分(最終更新 07月20日 10時45分)
2016年リオデジャネイロ、20年東京の両五輪で正式種目に採用された男女7人制ラグビー。その頃に中核を担うと期待されているのが、今の高校生世代だ。女子は右肩上がりで競技人口が増えており、13年度の高校生の競技人口は313人で、統計を取り始めた11年度の1.7倍に。男子も日本ラグビーフットボール協会が19日から3日間、初の高校男子7人制の全国大会を長野県で開催するなど、取り組みを強化している。
「ナイスパス!」。松山城南高校(松山市)のグラウンド。楕円(だえん)球を追うのは、昨年発足したクラブチーム「愛媛ラガールセブンズ」のメンバー約20人。ラグビーとガールで「ラガール」、7人制だから「セブンズ」だ。
メンバーは愛媛、香川両県の6校の生徒。ほぼ全員が高校からラグビーを始めた。愛媛県立野村高3年の兵頭菜々美主将(18)は「ルールは完璧には覚えていません」と苦笑い。普段は各校で男子と共に汗を流す。約2週間に1度の練習が女子だけでの活動機会だ。同県立松山工1年の古川麗華さん(16)は「すごく楽しい」と笑顔で話す。
日本協会は11年度から女子ラグビーの普及・強化に本格的に乗り出した。「五輪に出よう」と他競技からのトライアウト(入団テスト)を繰り返し呼びかけ、小中高校生向けにラグビースクールを開催したり、高校生やクラブチームを対象とした大会を新設したりした。社会人や小学生を含めた女子全体の競技人口は3055人(13年度)に上る。
一方の男子は、昨年度の全国高校ラグビーフットボール大会の予選出場チーム数は797で、最盛期(1991年度、1490チーム)の約半分に。全体の競技人口も94年度の約16万7000人から昨年度は約9万1000人に減っている。
そんな時に舞い込んだのが、ラグビーの五輪採用。日本協会広報・プロモーション部は「五輪は国民にラグビーに関心を持ってもらう絶好の機会。小学生向けのタグラグビー大会開催や、日本代表選手が指導するラグビークリニック、トライアウトと併せ、男女とも更なる普及・拡大を目指したい」と話している。【橘建吾】