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内宮のお膝もと 神宮ばら園
白、ピンク、黄、橙、紅…、とりどりの色や形、香りで世界中のファンをとりこにする花の女王、バラ。
神宮会館の裏山に「神宮ばら園」が開園したのは昭和62年(1987)秋のこと。
愛好家らの熱意で 開園され、丹精されて多くの来園者を集めるバラの花園をご案内しましょう。
神宮のお膝元に花の名所を

 神宮ばら園開設のきっかけとなったのは、当時の三重県ばら会会長・清水武夫氏よりのバラ苗の献納でした。
 現在園のある辺りは、もともと内宮禰宜・中川経高の山荘があったところで、その庭園には雪が降る如く花々が咲き乱れていたといい、一帯は「如雪園」と名付けられていました。神宮のお膝元に花の名所を復活させ、参拝者にひととき目の保養をしていただこうと、花園が造られたのです。
 開園当初は57種、300株が植えられました。その後、岡山市のアール・ エス・ケイバラ園や、山陽放送株式会社など、いくつかの企業や個人から苗の献納があり、三重県ばら会南勢支部の協力を得て、現在では120種、450株が咲きほこる見事な花園へと成長しました。

必見のプリンセス・ローズ

 つるバラのトンネル・アーチをくぐった園内には、休憩舎と散策道が設けられ、品種毎にプレート表示された多種多様な
バラが迎えてくれます。
 花弁が五枚で平らに開く一重咲のコクテールや、花弁の先が尖ったクリスチャンディオール、赤ちゃんの頭ほどの大きな花を咲かせる花音(カノン) や月光、米粒大の小さな花をいっぱいつけるピンクジュエルスなど、ひとくちにバラと言っても、色や形も咲き方もさまざま。
 来園者に人気があるのは、白い花で香り高いホワイトクリスマスや、ビロード のパパメイアン、紅茶色のブラックティーなど。また、ソプラノ歌手のマリアカラス、宝塚歌劇団の天津乙女、第16代アメリカ大統領リンカーンなど、世界の著名人にちなんだ名を持つバラも印象に残るようです。
 園の東側、神宮会館と隣接する斜面に、ほかの花と独立して並び植えられているのがプリンセス・ローズ。プリンセス・ミチコ、マサコ、アイコなど、どなたもご存知の高貴な名が冠された美しい花に、皇女のお姿を重ね合わせて、ぜひご鑑賞くごさい。

Princess Roses
「バラ色」のもとは

 「バラ色の人生」という例えがありますが、さてそれはどんな色でしょう。  一般的にはやや紫を帯びたピンクで、この色は、健康や幸福の象徴とされています。ピンク系以外にもさまざまな色がありますが、今のところ青いバラを目にする機会はほとんどありません。
 バラの花には、赤系がアントシアニン、白系がフラボノール、黄系にはカロチノイドという色素が含まれ、これらが混ざり合って微妙な色の違いを表現しています。ただし、青く発色するデルフィニジン色素は持ち合わせていないのです。
 バラの形状は大きく四つに分類することができます。一つの枝に大輪を一つ咲かせるハイブリッドティー、一つの枝にいくつもの花をつけるフロリバンダ、垣根などに這わせるつる性のクライミングローズ、そして鉢植えなどにされるミニバラ。近ごろは、この四種に属さない牡丹のような咲き方のイングリッシュローズや、古代種に近い花を咲かせるオールドローズなどがガーデナーに人気を呼んでいます。

春と秋の見頃に備えて

 園内のバラの多くは、開園当初に植えられたもの。御遷宮の式年と同じ歳月を重ねて、もはや老木の域にさしかかっています。  もともとバラは四季咲きの花ですが、 神宮ばら園では春(5月)と秋(10月)の2シーズンだけ開花させ、それ以外の季節につけた蕾は摘み取っています。
 それは、木の負担を少なくし、開花時期を合わせて来園者に花盛りを楽しんでいただくため。ただし、一年を通じて手入れは欠かせません。
 冬から春先にかけては、施肥などの土づくりと、草の発生を抑え表土の乾燥を防ぐワラ敷き。つるバラの誘引などもこの時期に行われます。春と秋の開花前には、剪定と芽欠き(蕾の摘み取り)をし、 開花後はすみやかに花を摘んで木を休ませます。もちろん、害虫の防除も怠る ことはできません。  こうした丹精により、来園者をいやし、感動させてくれる美しい姿を見せてくれる のです。
 春と秋の見頃に合わせて、神宮会館西館ロビーでは、三重県ばら会南勢支部 による「ばら展」が開催されます。切り花や鉢植えなど、いくつかの部門で優秀賞 が選ばれ、展示表彰されて多くの来場者を集めます。
 また、ばら園では苗や肥料の販売もあり、これからバラを育てたい方は、ばら会 会員や園の管理者に、手入れの仕方などを気軽に相談できます。
同会では、2月と9月の剪定適期にも講習会を開き、愛好家の拡大に努めています。
 秋、伊勢神宮の神苑では国を代表する花である菊が展示されますが、すぐ近く の神宮会館裏山に、おとぎの国のようなバラの花園があることを知っていただき、 参宮の帰りにぜひ、美と芳香をお楽しみいただければと思います。
また、神宮ばら園には、俳祖 荒木田守武の「元日や神代のことも思はるる」の句碑が建立されております。

※「三重県ばら会」は平成19年4月1日より「三重ばら会」に改称されました。

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