大阪都構想:新庁舎費用400億円 法定協に5区案提示
毎日新聞 2014年07月19日 08時00分
大阪都構想の制度設計をする法定協議会が18日開かれ、特別区の執務スペース不足解消に新たな庁舎を確保するため、初期費用400億円程度が必要とする試算が示された。大阪市を5特別区に再編する協定書(設計図)案も提示され、来週の次回協議会で可決される見通し。
この日の法定協にも、橋下徹市長ら大阪維新の会の委員だけが出席した。
法定協事務局の府市大都市局によると、特別区移行後、新「北区」以外の4区で、執務スペースが計5万平方メートル以上不足する。各特別区の本庁舎と別に庁舎を確保する方法として、(1)4区とも新庁舎建設=費用492億円(2)「湾岸区」はATC(アジア太平洋トレードセンター、住之江区)を賃借し、3区は新庁舎建設=419億円(3)4区とも民間ビルを賃借=103億円−−の3案を検討した(額は現庁舎改修費を含む)。
この日は(2)を推す声が出たが、結論を持ち越した。維持管理費や民間ビルの賃借料などを含めた長期的経費は、(3)が高額になるという。また(2)は、システム改修費を含めた初期費用が約600億円、ランニングコストが年間約25億円必要という。本庁舎と別に庁舎を建設するかは、各特別区が判断する。
一方、都構想実現時に市営交通民営化が決まっていない場合、地下鉄とバスの両事業を府に移管するよう、橋下市長の意向で変更した。事務局案は地下鉄を府、バスを特別区に移管する計画だった。
協定書案は、「特別区設置日」(2017年4月1日)や「特別区の名称」など8項目で構成。職員数については、市役所の市長部局1万3200人のうち1900人が府庁の知事部局に、1万900人が特別区に所属する。これにより、府庁の知事部局は1万人体制、各特別区は2600〜1600人体制となるという。【山下貴史、林由紀子、茶谷亮、重石岳史】