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橋下市長 財政面に自信 都構想法定協

2014年7月19日

 大阪都構想の制度設計を担う法定協議会が18日、大阪市役所で開かれた。大阪市を再編してできる五つの特別区の歳入から歳出を差し引いた財政収支の試算が示されたほか、新しい北区を除き各特別区で不足するとされる執務スペースについて、湾岸区以外での新たな庁舎建設が提案された。

野党不在の中、協議会に臨む松井知事(左列奥)、橋下市長(右列奥)ら=18日午後、大阪市役所

 職員体制についてはこれまで、特別区に移行した当初は非技能労務職員が535人不足するとされてきたが、都構想への移行が2015年春から2年先送りとなり再試算した結果、不足人数は198人まで減少。技能労務職員の転任や新規採用で賄えるとした。

 執務スペースは、新しい北区を除く四つの特別区で1〜2万平方メートル分不足するとされる。このため、アジア太平洋トレードセンター(ATC)を賃貸・改修して活用する湾岸区を除く3特別区で、新たな庁舎を建設する案が出された。

 各特別区の財政収支の試算では、橋下徹市長が民営化を目指している地下鉄・バス事業などが民営化された場合とそうでない場合の2パターンが示された。北区では民営化できた場合で22年度に単年度の黒字を達成し、民営化できなかった場合でも23年度に収支不足が解消するとした。

 また橋下市長は特別区の財源対策の例示として、大阪市が保有する関西電力株にも言及した。

 一方、特別区の設置までに地下鉄事業とバス事業が民営化できなかった場合、事務局側から地下鉄事業を広域行政が、バス事業を特別区が継承する案が提示されたが、橋下市長は両事業ともに広域行政が承継することを提案した。

 この日の法定協も維新のメンバーだけで開かれた。状況を見守った市議団野党の幹部は「具体的な議論になってきたら、無理だということが見えやすくなっている。だからこそ維新だけでやってしまわないと、どうにもならないということだ」と非難した。

 橋下市長は特別区の財政収支について「市議会で民営化の賛成を得られなくても財政面でやっていける」と自信を見せた。