中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

大砂嵐が2日連続の金星

2014年7月19日 紙面から

日馬富士(左)を引き落としで破る大砂嵐=愛知県体育館で(布藤哲矢撮影)

写真

◇名古屋場所<6日目>

 (18日・愛知県体育館)

 前日に初金星の平幕大砂嵐(22)=大嶽=が横綱日馬富士(30)=伊勢ケ浜=を逆転の引き落としで破った。2日連続金星と1場所2個以上の金星は2003年九州場所で栃乃洋が朝青龍、武蔵丸を連破して以来。初挑戦からの2日連続金星は戦後初となった。同一場所で初金星から横綱戦2連勝は1984年秋場所に小錦が隆の里、千代の富士を破って以来となった。日馬富士は2敗目。

 土俵際に押し込まれても、最後まで諦めなかった。大砂嵐が日馬富士に捨て身の引き。横綱初挑戦から2日連続の金星獲得。戦後初の大記録を打ち立て、惜しみない拍手を浴びた。

 出身のエジプトは「7000年の歴史がある」と言われる。大砂嵐も新たな歴史をつくったことに強い誇りを感じていた。「エジプトの歴史には世界で初めてのものがあります。自分の歴史をつくっていきたい」と笑みを浮かべた。

 体調は最悪だった。風邪をひきながらも金星を獲得した5日目の取組後、熱は38度2分まで上がっていた。「きょうは一番きつかった。(夜中の)12時半に病院に行った。点滴した」。愛知県津島市の津島市民病院にタクシーを飛ばした。

 「(午前)3時くらいに部屋に帰った。全然寝てない。2時間くらいかな」。病院から帰って口にしたのはサンドイッチ、チョコレート。食欲もなく、十分な量ではなかった。

 現在は日の出から日没まで飲食しないラマダン期間中。薬が飲めないため、友人からラマダンを中止するようにアドバイスされた。それを大砂嵐は断った。「相撲と宗教はミックスしたくない。自分はお相撲さん。大砂嵐は大砂嵐。イスラム教ではアブデルラフマン(本名)でも相撲では大砂嵐。違う」。強い意志で乗り切った。愛知県体育館を出ると、再び病院へ。その姿に疲労感は見えなかった。

 エジプトの両親から5日目の夜にメッセージが届いたという。「あなたの夢が近くなった。うれしい」と。そう、大きな夢がある。「いつでも誰でも自分の相撲を取るだけ。自分の夢は横綱。横綱になりたい」。大砂嵐の歴史はまだ始まったばかりだ。 (岸本隆)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ