全パ−全セ 7回表2死二塁、右中間に2ランを放つ広島・エルドレッド=西武ドームで(市川和宏撮影)
|
 |
◇マツダオールスターゲーム<第1戦> 全セ7−0全パ
全セが広島勢の活躍で全パに7−0で快勝し、最優秀選手(MVP)には本塁打を含む3安打の4打点だった広島のブラッド・エルドレッド内野手(34)が初選出され、賞金300万円を獲得した。敢闘選手賞(賞金100万円)は先発して勝利投手となった広島の前田健太投手、西武の岸孝之投手、日本ハムの陽岱鋼外野手が選ばれた。
これぞ4番の働きだ。初出場で全セ打線の中心に座ったエルドレッドが29本塁打、80打点の2部門でリーグトップの実力をいかんなく見せつけた。3回と5回に適時打を放つと、7回2死二塁では会心の一発。初球のファウルが左足に当たった痛みに耐えながら、続く2球目を強振。打球は右中間席に飛び込んだ。4打数3安打4打点。文句なしのMVP獲得だ。
「パ・リーグを代表する投手からいい経験ができた」と語るエルドレッド。広島の外国人では78年のギャレット以来のMVPに加え、ホームランダービーでも優勝し、この2つだけでも350万円の賞金をゲット。「いいパフォーマンスをみせることができた」。満面の笑みを見せ続けた。
修正能力の高さを発揮した。第1打席では岸のチェンジアップの前に空振り三振。エルドレッドの頭に浮かんでいたのは反省の思いだった。「大振りでは良い結果は生まれない」。第2打席からはコンパクトなスイングを心掛けた。効果はてきめん。2打席目からは打棒が爆発。西武ドームに吹いた赤ヘル旋風を象徴する活躍につながった。
◆「子どもの学費に」
賞金の使い道を「しっかり考えて、取っておこうと思っています。子どもを大学に行かせたいので、学費にしようかな」と語ったエルドレッド。菊池から「焼き肉に連れて行って」とお願いされると「マクドナルドに連れて行く」と当意即妙の返答もしてみせた。一方でしみじみとした口調でこんな言葉も口にした。「自分のキャリアの中で特別な日になったね」。来日3年目。赤ヘルの主砲にとって、この試合は一生の記憶に残るものになったはずだ。
この記事を印刷する