昨日7月19日に静岡・つま恋にてアミューズ主催の野外イベント「Amuse Fes 2014 BBQ in つま恋~僕らのビートを喰らえコラ!~」が開催された。
昨年、アミューズの設立35周年を記念して初めて開催された「BBQ in つま恋」。今年は13組のアーティストのライブに加え、グループの枠を超えたコラボセッションも実施され、集まった2万人のオーディエンスを約7時間にわたって楽しませた。なお悪天候のため一時中断する事態にも見舞われたが、アーティストたちはセットリストを調整しながらライブを続行しイベントを成功に導いた。
オープニングアクトを務めたCROSS GENEのフレッシュなパフォーマンスを経て、正午からイベントが開幕。「BBQ in つま恋」の発起人であるポルノグラフィティが開会宣言代わりにサザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」、福山雅治「虹」、爆風スランプ「Runner」で構成された大先輩たちのヒット曲メドレーを披露し、トップバッターの高橋優へとバトンを渡す。高橋は新曲「おやすみ」や野外にぴったりな「同じ空の下」などを堂々と歌い上げ、続く藤原さくらは可憐なルックスからは想像できない大人びた歌声と初々しいMCのギャップで観客を魅了した。
その後は、今年の「BBQ in つま恋」の目玉の1つであるコラボ企画の1組目のステージへ。KO-ICHIRO(Key / Skoop On Somebody)、山村隆太(Vo / flumpool)、高橋、松下省伍(G / MONOBRIGHT)、藤原による「さくら大学院」がそろいの白のつなぎ姿で湘南乃風「睡蓮歌」、ケツメイシ「夏の思い出」、THE BOOM「風になりたい」、嵐「A・RA・SHI」をメドレーで熱演した。なお「A・RA・SHI」では高橋が巧みなラップを披露し、観客に意外な才能をアピールしていた。
「BBQ in つま恋」初登場のSkoop On Somebodyは、代表曲「sha la la」を1曲目にプレイしてオーディエンスの心をつかむ。雨が降り始めた会場を見たTAKA(Vo)は「ゆったりと自由に音楽を楽しんでほしい」と声をかけて観客を気遣い、KO-ICHIROとの掛け合いが印象的なアップテンポのナンバー「happypeople」で会場を暖めた。元気いっぱいに登場したRihwaは「雨は恵みの雨ですから!」とポジティブなひと言で観客のテンションを高める。ヒット曲「Last Love」でその歌唱力を披露した彼女は最後にドラマの主題歌にもなった「春風」を歌い上げ、会場に爽やかな空気を送り込んだ。
Rihwaのステージが終わると会場のアナウンスで雷を伴う雨雲の発生のためイベントを中断する旨が伝えられる。およそ1時間におよぶ中断ののち、ポルノグラフィティがステージに登場。大歓声が上がる中、岡野昭仁(Vo)は「みんな待ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝え、新藤晴一(G)は「困難を乗り越えてこのライブはさらに盛り上げることになるでしょう!」と再開を宣言し、WEAVERのステージへとつないだ。「盛り上がるための準備はできてますか?」という杉本雄治(Piano, Vo)のMCからWEAVERは「Shine」を演奏し、勢いよくイベントを再スタートさせる。続いて彼らはPerfumeの「love the world」とポルノグラフィティの「ミュージック・アワー」を融合させたナンバーを披露し、このイベントならではのパフォーマンスでオーディエンスを楽しませた。
続いてステージには比嘉栄昇(Vo / BEGIN)、MIHIRO~マイロ~、桃野陽介(Vo, G / MONOBRIGHT)、Rihwa、藤木寛茂(G / HaKU)の5人がコラボユニット「うたんちゅ」として登場。「クラップユアハーンド!」という桃野のMCを合図に彼らは井上陽水の「少年時代」のカバーを披露する。比嘉、Rihwa、MIHIRO~マイロ~の3人がマイクを取る中、桃野はカツラとサングラスを着用し、自らを“井上モー水”と称して熱唱。さらにオーディエンスを巻き込んだシンガロングを起こし、お祭り騒ぎのコラボステージは大成功となった。
イベントの中盤を飾ったflumpoolは、雨に濡れたオーディエンスの憂鬱をふっしょくするようなパワフルなステージを披露。山村は「このBBQ、たかが雨や雷のために終わらせてたまるか! 続けられるかはみんなの熱意にかかってるんだ。みんなで一生忘れられない瞬間を作りましょう」と観客の心にひとつにまとめあげる。豪雨の中で鬼気迫るセッションを繰り広げたHaKUに続いては、上地等(Key / BEGIN)、島袋優(G / BEGIN)、TAKE、岡野、阪井一生(G / flumpool)という男性5人からなるコラボユニット「ベテランと中堅と一生」による石川優子とチャゲ「ふたりの愛ランド」のカバーがスタート。岡野とTAKEの絶妙なハーモニーと楽器帯の卓越したプレイに観客はおおいに魅了された。
そしてイベントの盛り上げ役であるPerfumeは、最新のアーティスト写真で着用している衣装のピンクバージョンに身を包み、新曲「Cling Cling」の初披露といううれしいプレゼントを用意。さらにおなじみの「P.T.A.」のコーナーでは、T.M.Revolutionの「HIGH PRESSURE」を盛り込んだコール&レスポンスを行いファンを楽しませた。
“雨バンド”を自称するMONOBRIGHTの桃野は「皆さん、絶対に俺らにムカついていると思ってます。俺らに全部やつ当たりして来い!」とオーディエンスを挑発し、ハイテンションなステージを展開する。「youth」のアウトロで桃野は客席エリアに乱入し、会場を一周。破天荒なステージで会場を盛り上げた。次に展開されたコラボステージにはエメラルドグリーンの衣装で揃えた辻村有記(Vo, G / HaKU)、新藤、Perfumeの3人、杉本による「THANKS」が登場。彼らはTRFの「survival dAnce ~no no cry more~」をカバーを演奏した。アウトロでは豪華なバックバンドの演奏のもと、Perfumeの3人がキレのあるダンスを披露し、盛大な拍手と歓声が送られた。
日が傾き始めた時間帯に登場したのはBEGIN。比嘉の「一番好きなのは食べ物の歌です」のMCからサーターアンダギーを歌った「砂糖てんぷら」を演奏するなど、味わいのあるセッションで観客を魅了する。「かりゆしの夜」では「イーヤーサーサー」というコール&レスポンスを繰り返し、オーディエンスも彼らとの掛け合いを楽しむ。真紅の衣装に身を包んで登場したMIHIRO~マイロ~は「TAIYO」「Baby I love U」の2曲を熱唱。オーディエンスも手拍子とシンガロングで彼のパフォーマンスに応えた。
トリを飾るポルノグラフィティの出番直前には雨が止み、涼しい風がフィールドに吹き込む。岡野は「最後、最高の最高の最高のステージを見せます!」と宣言すると、熱い風を吹き込むように「NaNaNa サマーガール」や「ハネウマライダー」、レゲエ調のイントロから幕を開ける「ミュージック・アワー」をパフォーマンス。貫禄すら匂わせるライブを届けていく。岡野は「今日のことは一生忘れんわ」と記憶に残る1日だったことを明かし、新藤は「来年は雨と雷は抜いてきますんで。来年も来てください!」と3回目の開催を早くも宣言。そしてPerfume、BEGIN、fumpool、藤原さくら、MONOBRIGHT、HaKU、WEAVER、Skoop On Somebody、MIHIRO ~マイロ~、CROSS GENEらをステージに呼び込み、イベントのテーマ曲として書き下ろした「それを強さと呼びたい」を最後に届ける。同曲は作曲を岡野、作詞をあ~ちゃん(Perfume)と新藤が手がけた、あたたかなメッセージとメロディが紡がれた1曲。ボーカリストたちが入れ替わり立ち代わりボーカルを務め、サビでは全員の歌声が美しいハーモニーを作り出していく。柔らかな空気が場内に漂う中で盛大な花火が打ち上がり、2度目の「BBQ in つま恋」は無事フィナーレを迎えた。
なお当日披露された新曲は現場でレコーディングされており、ライブ音源が7月21日24:00より配信限定でリリースされる。その収益は、東日本大震災の震災遺児、震災孤児を支援する団体に寄付される。