奥村徹弁護士の見解(06-6363-2151 hp@okumura-tanaka-law.com)

奥村徹(大阪弁護士会)の弁護士業務と研究活動(不正アクセス禁止法・児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 青少年健全育成条例、強制わいせつ罪、強姦罪)、児童福祉法、児童に対する性的虐待・性犯罪、著作権法、信用毀損、名誉毀損、わいせつ図画公然陳列、電子計算機損壊等業務妨害、その他サイバー犯罪、プロバイダ責任制限法などが中心です。)の一片を御紹介しています。専門分野は御覧の通りです。  福祉犯や児童に対する性犯罪の弁護経験は裁判所に係属した事件だけで150件を超えました。

藤原武「否認の強制わいせつ致傷事件における被害者供述の信用性」捜査研究701号P18

 こう否認する人もいるようです。

第2 事案の概要
本件は,いわゆるロリコン趣味を有する被疑者が,夜,自宅寝室で,当時6歳の被害少女に自己の陰茎を口淫させ,さらには,同女の虹門に自己の陰茎を押し付けたり,祇め回すなどし,その際,同女に全治約1週間を要する外陰部裂創の傷害を負わせたという強制わいせつ致傷の事案及び日中,義母方で,当時4歳の前記被害少女の性器や虹門などを露出させた姿態をデジタルカメラで撮影し, CDに描写して児童ポルノを製造した事案である。

2 被疑者の弁解状況
(1) 強制わいせつ致傷について
「被害少女に対してわいせつな行為をしたことは一度もない。」「被害少女が外陰部裂創の傷害を負ったのは,自分が被害少女のお尻を叩いたからである。」旨供述して,自分が被害少女に対してわいせつな行為を行った事実を否認した。
(2) 児童ポルノ製造について
「被害少女のズボンやパンツを脱がせたことはない。」「被害少女の方から,ズボンやパンツを脱ぎ自らの指で陰部や虹門を開いて,写真を撮るように頼んできた。」旨供述して,児童ポルノ作成の事実を否認した。
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判決結果は強制わいせつ致傷罪,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の罪により懲役4年6月の実刑及びCDl枚没収であった(求刑懲役5年. CD 1枚没収入
被告人は,捜査段階から一貫して本件各公訴事実を否認していたことから,懲役4年6月の実刑判決に対して,直ちに控訴するものと思われたが結局,被告人は控訴することなく,事例は確定した。