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【社会】

「ドドド」不安の頭上 オスプレイ、都内初 横田飛来

2014年7月19日 13時56分

米軍横田基地に着陸するオスプレイ=19日午前9時17分、東京都羽村市上空で、本社ヘリ「あさづる」から(平野皓士朗撮影)

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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に所属する垂直離着陸輸送機オスプレイ二機が十九日午前、横田基地(東京都福生市など)に飛来した。札幌市で開かれる航空イベントに向かう途中の給油が目的で、東京都内への飛来は初めて。安全性への懸念から地元自治体は飛来しないよう求めており、基地周辺では市民団体などが抗議活動を繰り広げた。

 二機は十八日に普天間を出発し、経由地の岩国基地(山口県岩国市)に駐機。十九日朝に岩国をたち、午前九時すぎに横田へ相次いで着陸した。給油を終えた後、陸上自衛隊丘珠(おかだま)駐屯地(札幌市)へ向かった。

 航空イベントは航空会社や民間企業でつくる北海道航空協会が二十日に開き、オスプレイ二機を地上展示する。二十一日には札幌を離れ、給油目的で横田へ再飛来し、岩国経由で普天間へ戻る予定。

 横田の五市一町でつくる基地対策連絡会は十日に、飛来させないよう防衛相や外相などに要請していた。札幌市も北海道航空協会に飛来中止を要請、十八日には市中心部でデモ行進が行われた。

 オスプレイは、別の一機が十五日に人員輸送目的で神奈川県の厚木基地(大和市、綾瀬市)と静岡県のキャンプ富士(御殿場市)に飛来。厚木へは補給目的で十八日に再飛来した。いずれの基地でも地元自治体と住民らが反対している。

◆市民ら「なぜここに」

 遠くの上空にオスプレイの機影が見えた。「ブーン」という音が「ドドドド」という重たいプロペラ音に変わる。灰色の大きな機体が、頭上を通り過ぎた。見に来た市民らから、どよめきが上がった。

 横田基地北側の公園「みずほエコパーク」の駐車場。早朝から約二十人が集まった。午前九時すぎ、「あっオスプレイだ」の声に、一斉に北の方角を見つめる。滑走路に向かう機体に向けて、シャッター音が鳴り響く。「でかいな」とだれかがつぶやく。二機目も六分後に飛来した。

 東村山市の会社員男性(39)は「横田への初飛来とあって見に来た」と話す。大型の望遠レンズ付きのカメラでオスプレイを撮影しつつ、「問題は安全性。住民の不安は理解します」と漏らした。

 公園近くで野菜を販売していた韓国人の林海有さん(60)は「どうしてここに来なければならないのかが分からない。よく事故があると聞き、安全性が心配です」と顔を曇らせた。

 基地の第二ゲート前では、地元の市民団体メンバーら約百人が「オスプレイ反対、横田に来るな」「沖縄からも出て行け」とシュプレヒコールを繰り返した。

 滑走路南端のフェンスで飛来を見学した東京都立川市の病院職員、杉崎健一さん(48)は「自治体や住民の声に耳を傾けず、詳しい情報公開もないまま、飛来が強行されたことは不愉快。これからも監視したい」と話した。 (竹島勇、小松田健一)

(東京新聞)

 

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