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●本社アンケート 除染 毎時0.23マイクロシーベルト

 除染を実施する県内市町村の7割は、国が最近、「除染目標ではない」と説明している空間放射線量率「毎時0.23マイクロシーベルト」を除染の目標に位置づけていることが、朝日新聞の県内自治体へのアンケートでわかった。住民も毎時0.23マイクロまで下がらないと不安を抱くなど、この数値の意味づけがあいまいな現状が、除染事業の「障壁となっている」とした自治体も7割にのぼった。

 アンケートは6月下旬から今月上旬にかけ、現在も除染を行っている29市町村を対象に実施。28市町村から回答を得た。

 国は、東京電力福島第一原発事故による追加被曝(ひ・ばく)の長期的な低減目標を個人の線量で年間1ミリシーベルトと定めている。環境省はこれを空間線量率に換算すると毎時0.23マイクロになると例示し、市町村や住民に紹介してきた。しかし、最近になって、この数値は除染目標ではない、と強調している。

 アンケートでは、20市町村(全体の69%)が、除染直後、あるいは長期的な除染目標に、毎時0.23マイクロを挙げていると回答した。個人線量年間1ミリと併記する自治体もあるが、福島市や本宮市、いわき市など、除染直後の目標として直接、毎時0.23マイクロを記す市町村も13あった。一方で、「自治体も住民も毎時0.23マイクロが除染目標ではないと理解している」と回答した自治体は皆無だった。

 また、「毎時0.23マイクロが除染事業の障壁になっている」と答えた自治体は19(66%)で、障壁となっていないと回答した9自治体(31%)の2倍あった。

 障壁となっている理由としては、「毎時0.23マイクロまで下がらないと住民が不安に思う」、「毎時0.23マイクロ以上の場所を除染しないと、行政の役割を果たしていないと批判される」、「全般的には毎時0.23マイクロ以下でも、局所的に線量の高いところの除染ができない」、「毎時0.23マイクロ以上と以下の家屋が混在し、除染内容が異なるため住民の間に不公平感が生じる」などを挙げた。

 環境省は4月以降、福島、郡山、相馬、伊達の4市と除染について勉強会を重ねてきた。先月15日には、井上信治環境副大臣が「1カ月をめどに国としての除染の方針を示す」と表明。近く、公表される見通しだ。

 この環境省の方針への要望として、アンケートに、「長期目標の『長期』がいつまでなのかを具体的に示して欲しい」とした自治体が9(31%)、「毎時0.23マイクロシーベルトを明確に除染の長期目標と位置づけて欲しい」とした自治体は8(28%)、「個人線量で除染目標を示して欲しい」とした自治体が5(17%)、「今の方針を変更しないで欲しい」とする自治体が4(14%)あった。

 加えて、「健康に影響すると考えられる空間線量率を除染の基準や目標に定め、国が責任をもって住民に説明して欲しい」「住民は(原発事故で)汚染される前の状態に戻すことを望んでいる」「子どもが生活全体でうける被曝線量の目標値を明示して欲しい」といった要望を挙げる自治体もあった。