ランの仲間(ラン科の植物)の種子は栄養素をほとんど持っていないため、自力で発芽することができません。そんな「か弱いラン」に不可欠な存在が「ラン菌」です。 土の中で暮らすラン菌は、カビやキノコの仲間です。菌糸(きんし)と呼ばれる細長い糸状の体を伸ばして生きています。ランの種子を見つけると、ラン菌はその中にもぐり込み、種子の中の乏しい栄養分を食べていきます。 しかしラン菌が食べている部分は、ランの種子にとっては生命の危険がない部分です。それどころか、ランの種子はもぐり込んできたラン菌の菌糸を少しずつ分解して、栄養素として利用し、発芽します。発芽後も、自分で光合成ができるようになるまで、菌糸を食べていきます。 そして、ラン菌の栄養素に頼らなくても生きていけるようになったら、最後はラン菌をすべて消化し尽くしてしまうのです! そしてランは、きれいな花を咲かせます。 さらに驚くべきことは、根を持たないランもあり、彼らはラン菌の菌糸を根の代わりにして生きていきます。このように、ランには種類によってそれぞれ固有のラン菌が存在します。ランの栽培が難しいのは、そのためです。そのランにピッタリ合ったラン菌を準備しなければ、育っていけないからです。 ラン菌は、ランに寄生しなくても土の中で生きています。それなのに、どうしてランを助けるために自らを犠牲にするのか、研究者たちも首をかしげています。このように、弱肉強食や競争原理だけでは理解できない現象は、自然界にたくさんあるのです。 人間がランとラン菌の関係を発見したときに、「無償の愛」をより良く実感できるよう、神様が準備していた……。私には、そのように見えます。 |
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パラダイムシフト〜アヒルがウサギに見える日〜
読めば読むほど、ここはすごい情報ですね。感動します。 あらためて紹介させて頂きます。 ...続きを見る |
理科系おじさんと信仰 2009/08/03 11:42 |
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