パラダイムシフト 〜アヒルがウサギに見える日〜

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help RSS 破局噴火の脅威

<<   作成日時 : 2013/06/11 18:54   >>

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巨大地震と巨大津波に襲われた日本としては、地球が原因となる自然災害はこれが最大だと思いたいものです。ところが、地球はそんなに甘くはありません。東日本大震災による地震や津波などは、地球がくしゃみをした程度のものです。もっと凄いものがあります。火山の「破局噴火」です。

破局噴火とは、地球上の生物を絶滅させてしまうほど巨大な噴火を言います。地球上では、過去5回、生物が大絶滅をしてきています。直近では、6500万年前に地球上を席巻していた恐竜が大絶滅しています。恐竜絶滅は巨大隕石の落下で生じた、という話は有名なのですが、実はこれはとどめの一撃でして、その前に火山が破局噴火していたわけです。

火山噴火の規模を表す火山爆発指数 (VEI) というものがありますが、破局噴火はVEI7〜8のものを言います。ちなみにVEIは8が最大で、それ以上はありません。VEI7とVEI8では結構な差がありますから、7に近ければ地球上のすべての生物が絶滅するということはありません。それでも、噴火した周辺の生物は死に絶えます。

例えば、九州の中央から南部にある霧島火山帯は、世界の火山の中でも結構活発で、過去30万年間で4回も破局噴火を起こしています。このうち、もっとも最近は7300年前の鬼界カルデラで起きた破局噴火です。当時、南九州で栄えていた縄文文化を壊滅させたことは、考古学でも判明していることです。

私くらいの年齢ですと、雲仙普賢岳の噴火で、地元住民や警察官、報道関係者など43名が火砕流に飲み込まれて死亡した出来事を記憶していると思います。鬼界カルデラの破局噴火は、雲仙普賢岳の火砕流の40万倍だったことが分かっています。

40万倍ってどんな規模かと言いますと、九州の南半分は火砕流で覆い尽くされるという感じです。火砕流の高さは火口から離れるとだんだん低くなっていきますが、だいたい100〜200mだそうです。移動速度は時速100kmくらい、温度は500℃くらいなのだそうです。こんなのに飲み込まれたら、即死です。

これくらいの規模になると、火砕流は全方位に流れていきます。普通の火砕流や土石流のイメージは、川のように一方向ですが、破局噴火の火砕流は360°に流れていくわけです。九州の半分が500℃で焼きつくされたということです。鬼界カルデラは、薩摩半島から約50km南の大隅海峡にあります。つまり、火砕流は海を渡って行ったということです。いやはや、恐ろしい限りです。

同じ霧島火山帯の姶良カルデラは、2万9000年〜2万6000年前に破局噴火しています。姶良カルデラは、鹿児島湾と桜島を囲む場所です。つまりは、鹿児島湾はこのときの噴火でできたのです。鹿児島湾はもともと陸地であって、そこが破局噴火したものだからすべてが吹き飛んで、ゴッソリと穴が開いて海水が入ってきたわけです。

このような想像を絶する規模の噴火が、破局噴火というものです。今、仮にこの規模の噴火が霧島火山帯で起きたとすると、大阪でも火山灰が50cm、東京でも20cmは積もるということです。火山灰が積もったあと、今度は雨によってそれが土石流になります。つまり、関東地方から九州までは、人が住むことが困難となります。日本の死者は数千万人レベルだと予測されています。

最近、富士山の噴火がどうのこうのと話題になっていますが、火山学の研究では霧島火山帯のほうが断然に噴火する確率は高いです。もちろん、いつ起きるかは分かりませんけど…。

霧島火山帯が破局噴火すると、被害は日本だけにとどまりません。北半球全体が、火山灰の影響で日光がさえぎられて、寒冷化します。小氷河期になるということです。緯度の高いところでは多くの凍死者が出るでしょうし、作物ができませんから南半球に頼らざるを得ず、穀物価格は高騰し、金持ちしか食べ物が得られなくなります。餓死者も相当数になるでしょう。人類絶滅とまでは行きませんが、半数か、三分の二くらいはいなくなると考えられています。

むろん、日本の1つの火山が破局噴火しただけでこの程度ですから、他の国でもいくつかの破局噴火が起きたら、人類は絶滅してしまうでしょう。これほどまでに、火山というのは脅威なのです。

ひとたび火山が噴火すると、このように壊滅的な被害を受けるために、昔の人々は「火山噴火は神の怒り」と考えていた可能性は大きいです。ですから、世界の神話や宗教書なども、実は破局噴火の恐ろしさを伝えるために書かれたのではないか、という説まであります。

日本の古事記のイザナミも火山を象徴していると考えると、納得する記述が多いとのこと。英語で火山をボルケーノ(volcano)といいますが、これはギリシア神話に出てくる火の神・ヘーパイストスに由来しています。

旧約聖書のソドムとゴモラの町の壊滅も、天から硫黄の火が降ってきて起こります。これも火山噴火によるものだということです。ロトの妻が後ろを振り返って塩の柱になったということも、火砕流から逃れるために全速力で走らなければならないのに、立ち止まってしまったからだといいます。火砕流は500°という高温なので、それに飲み込まれた人間は一瞬で粉々に爆発してしまいます。人体の水分が急激に熱せられて、水蒸気爆発を起こすのです。塩のように粉々になったということでしょう。

モーセの奇跡も火山噴火にまつわる話でしたし、ヨハネの黙示録にも「火で焼かれる」、「火と硫黄の池に投げ込まれる」、「島も山も消える」などと書かれており、火山噴火を思わせています。

むろん、神話や宗教書には、単なる自然災害とは異なる「啓示的な内容」も含まれているでしょう。その記述を通して人類に伝えたい神様のメッセージはあるはずです。しかし一方では、大災害に遭っても生き延び、子孫に警告を促すために伝承してきた、名もない人々の努力もあったのだと感謝したいものです。

では、このような破局噴火は、いつ起きるのでしょうか? 残念ながら現代の科学では予測できません。しかし、5回の大量絶滅は約1億年周期で起きていることから、直近の恐竜絶滅が6500万年前ということを考え、「いつ起きてもおかしくない」という意見は、どの科学者にも共通しています。

まさに「神のみぞ知る」です。神様は我々を簡単に絶滅させる力を持っています。神様がその力を行使したら、人類なんて一瞬で「塩の柱」だということです。そういう神様が、私たちを生かしてくださっていることは、大いなる感謝です。もちろん、神様は私たちの親だと信じる統一教会員は、神様がそんな力を行使なさらないであろうと願うばかりです。


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