ガザ:イスラエル地上侵攻 狙いは地下トンネルの破壊

毎日新聞 2014年07月19日 00時07分(最終更新 07月19日 01時37分)

 【ガザ市(パレスチナ自治区ガザ地区)大治朋子】イスラエル軍が17日夜に開始したパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻は、イスラエルとの境界沿いのガザ全域でイスラム原理主義組織ハマスらが掘削した侵入用の地下トンネルの破壊が狙いとみられる。

 地上侵攻が始まる直前の17日、十数人のハマス兵士がイスラエル南部の町に侵入、イスラエル兵と交戦した。ロイター通信によると、ハマス兵士はガザ地区からイスラエルとの境界の下を通ってイスラエル側に延びる秘密トンネルを使って侵入したという。

 ガザからイスラエルに向けて同様のトンネルが多数、掘られているとみられる。昨年10月には、イスラエル軍がハマスが1年以上かけて掘ったとみられる全長1.7キロのトンネルを発見していた。秘密トンネルを使って領内に侵入し、攻撃を仕掛けられることはイスラエルにとってロケット弾とともに、大きな脅威となっている。

 ネタニヤフ首相も17日の声明で「空爆だけではトンネルを破壊できなかった。地上侵攻はトンネル破壊が目的だ」と強調した。今回の侵攻で、ガザ側から掘削された10本の地下トンネルが見つかっており、イスラエル軍幹部は、これらの破壊には「地上侵攻後1、2週間かかる」と話した。トンネル破壊が今回の地上侵攻の主目的であれば、限定的作戦にとどまる可能性もある。

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