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 オーストラリアのビショップ外相は18日、乗客に少なくとも28人の豪州人がいたことを確認したと記者団に述べた。アボット首相はラジオ番組で「地対空ミサイルで撃墜されたのであれば、言葉で表せないほどの犯罪であり、犯罪者らはすぐに処罰されるべきだ」と強い口調で語った。豪州政府は閣僚らで構成する国家安全保障会議を緊急招集し、対応を検討する。

 複数の豪地元メディアによると、乗客のうち約100人は、豪南東部メルボルンで20日から開催される予定の「第20回国際エイズ会議」へクアラルンプール経由で向かう欧州からの参加者だったとみられる。著名なオランダ人エイズ研究者で元国際エイズ学会(IAS)会長のユップ・ランゲさんもいるという。多数の人材を失ったことで、「今後のエイズ研究に影響が出るのでは」と懸念する声も出ている。

 同会議には、ビル・クリントン元米大統領やミュージシャンのボブ・ゲルドフさんらをはじめ医療関係者や市民団体ら約1万4千人が参加する予定。複数の参加予定団体は、ツイッターで哀悼を表した。(シドニー=郷富佐子)