北京市民の交通費負担、これまでの2倍程度に引き上げか


 北京市の交通問題の研究・提言機関である北京交通発展研究センター李先副主任はは17日、同市における地下鉄料金の改正などについての意見を発表した。北京市民の交通費負担は他国の大都市と比べるとかなり低く抑えられているとして、料金値上げに賛意を示した。家計における市民の交通費負担は原状の2倍程度になる可能性がある。中国新聞社が報じた。  李副主任は、北京市民が外出時に利用する交通手段は、2013年の実績値で路線バスが46%、小型自動車は32.7%だったとして、公共機関は市民の足として定着しており、運賃を安く抑える政策は、道路の渋滞緩和などで効果を発揮してきたとの考えを示した。  李副主任は一方で、北京市における軌道交通(地下鉄)の運賃は中国国内で最も低いと指摘。また、「平均収入と運賃の比率」をみても、東京の3分の2、パリやロンドンの3分の1と、国際的にも極めて低い水準と説明した。  北京市では2007年に公共交通機関の運賃改正が行われたが、当時1万9978元だった市民1人当たりの年収が現在は4万321元(約約65万8500円)と大幅に上昇したにもかかわらず、運賃が据え置かれたために、収入当たりの運賃が下落したという。  現在は平均的な勤め人の場合、出勤にともなう交通費も自己負担として計算すれば、出費は可処分所得の2.6%になる。李先副主任は「国際的な経験からして、交通費は可処分所得の5%-10%であるのが合理的」との考えを示し、「北京市民の交通費負担は、現在の2倍になってよい」との考えを示した。  北京市の地下鉄料金は、空港線を除けば「距離に関係なく2元」という一律性だ。現在のところ、乗車距離を料金に反映させる方式への改正が妥当とする意見が多い。  李副主任も乗車距離を料金に反映さえる方式がよいとの考えだが、距離と料金を「正比例」させるのではなく、「長距離になるほど料金の増額が緩やか」な方式を採用すべきと主張した。(編集担当:如月隼人)