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転職・求人DODAエンジニア IT/トップ > 転職情報・成功ガイド > 三年予測 > ロボット開発会社経営 中川友紀子 氏
掲載日:2014.7.17
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三年予測ートップリーダーと考えるエンジニアの未来ー


学生時代、Webの台頭期にUNIXとインターネットにのめり込む

マイクロマウスと並ぶ中川のもう一つのルーツが、UNIXとインターネットだ。大学3年になり研究室に配属された中川は、UNIXワークステーションに出会った。今でこそ、LinuxやMacOS Xなどで誰でもUNIX系OSに親しめるが、当時はソフトウェア開発の最先端といえば高価な商用UNIXワークステーションだった時代だ。中川は、UNIXとそしてWebが爆発的に普及しつつあった時代のインターネットの世界に、寝食を忘れてどっぷり浸かった。
「大学内で最初にホームページを書いた世代です」
そう中川は言う。Web台頭の時期にUNIXと出会った中川がどれだけ興奮して打ち込んだかは、想像に難くない。研究室ではコンピュータビジョン(画像認識、画像理解)を専攻した。大学院に進み、修士課程を修了後、東京工業大学の助手となった。
マイクロマウスで培ったロボットの基礎、研究室で出会ったUNIXとインターネット、それにコンピュータビジョンの研究経験、こうした蓄積が、中川のロボットへの視点を形作っているのだ。

マイクロマウスはロボット分野の「共通言語」

中川がキャリアを積み重ねる間にも、コンピュータ関連の技術は急激に進歩していった。中川が出会った頃のマイクロマウスはCPUとメモリを別のプリント基板に分けていた。今は名刺サイズの基板上にすべて収まる。カメラも小さくなった。ロボットが利用できるコンピュータの計算能力、メモリ容量も急激に拡大した。その結果として、最近はカメラから取り込んだ画像の解析だけで迷路を解くマイクロマウスが出現している。
中川が率いるアールティでは、従業員は全員、マイクロマウスの経験を積む。文系出身の営業担当者も「オームの法則」やプログラミングに取り組むのだ。
「マイクロマウスは、共通言語のようなものです」
モーターと駆動系、電源、電子回路、コンピュータハードウェア、ソフトウェア/アルゴリズムと、マイクロマウスは幅広い知識が必要だ。だから、ロボット分野の共通言語としての意味がある。そして、次のように話す。
「イノベーションを起こすには、基礎が大事です」
メカ、電子工作、ソフトなど異なる分野をそれぞれを深く理解することで、新しい組み合わせを発想できるようになるというのだ。

ホビー、産業、学術の垣根を越えて

中川の話を聞いていると、次のストーリーが思い浮かぶ。1970年代には、業務用のコンピュータ(メインフレーム、ミニコン、オフコン)と、ホビー用のコンピュータ(「マイコンキット」などと呼ばれていた)は、交流がない別分野だった。だが、マイクロプロセッサの性能が上がり、マイクロプロセッサを対象としたOSの適用範囲が広がるにつれて、こうした分野分けは意味がなくなった。多くのパソコンユーザーが手元に置いて使うパーソナルコンピュータも、巨大IT企業のクラウドを構成するサーバーも、コンピュータとしては非常に似通っている。
そしてマイクロプロセッサの能力向上は、ロボットの能力向上に結びつく。ホビー用のロボット、学術研究のロボット、企業が開発するロボットの間には、まだまだ「垣根」があるのが現状だ。しかし、今後のコンピュータハードウェアの能力の向上と、ソフトウェアの進化により、こうした垣根は取り払われていく方向にあるのではないか──。

「ソフト屋さん」にも分かりやすいロボットを作る

実は、アールティのRIC90には今まで説明してきたものとは別の「秘密」がある。ホビー用のロボットで使われるのと同じモーター、駆動系を使っているのだ。
「ホビー用と同じ駆動系なので、ソフト屋さんには理解しやすいんです」
と中川は説明する。
「メカが専門の人は、ソフト屋さんから見ると使いにくい駆動系を作ってしまいがちです。『ここはソフトで制御してね』と言ってしまう。でも、ソフト屋さんは理解しやすく使いやすいメカが欲しいのです」
ソフトバンク資本のロボットベンチャー、アスラテックが開発、販売するロボットOS「V-Sido」のデモンストレーションにも、RIC90はよく登場する。V-Sidoは、ロボットの「小脳」に相当するソフトウェアだ。大まかな動きの指示から、ロボットの隅々まで行き渡る制御信号を紡ぎだす。
「(V-Sido開発者、アスラテック チーフロボットクリエーターの)吉崎航さんがRIC90を使ってくれたのは、理解しやすいからです」
コンピュータ技術はこの先も急激に進化する。ロボット分野でソフトウェアの比重が増えることは確実だ。そのような時代、「ソフトウェアを作りやすいロボット」には、今以上の大きな意味が出てくることだろう。

ロボット分野のソフト革命に備える

記事の冒頭で紹介した中川の言葉を、もう一回思い出してみよう。
「ロボット分野でこの先起こることは、もう分かっています。『ソフト革命』しかあり得ません」
IT分野の先端に親しんだ人にとっては、むしろ分かりやすい言葉ではないだろうか。コンピュータの性能は指数曲線を描いて時代とともに上昇する。そして利用可能なコンピュータリソースが増大するほど、多様なソフトウェアの技法を自由自在に使えるようになる。ITの革命は、ITの世界に留まらず、ロボットの世界も大きく変える。
メカ、電子回路、ソフトウェアの「心技体」を習得したロボット開発者達の中から、必ず次の世代のイノベーションが生まれてくる。中川は、そうしたイノベーションを起こす準備をしているのだ。
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