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転職・求人DODAエンジニア IT/トップ > 転職情報・成功ガイド > 三年予測 > ロボット開発会社経営 中川友紀子 氏
掲載日:2014.7.17
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三年予測ートップリーダーと考えるエンジニアの未来ー


日本科学未来館でASIMO、ROBO-ONE、RoboCupの立ち上げに立ち会う

話は2002年にさかのぼる。中川にとっては印象深い年だ。この2002年に、日本科学未来館で本田技研工業の二足歩行ロボットASIMOの展示が始まり、ホビーロボットが格闘技で競う「ROBO-ONE」の第1回大会が開かれた。そして学術界主導のロボットによるサッカー競技「RoboCup」の中で人型ロボットを使う競技部門「ヒューマノイドリーグ」の第1回が開かれている。中川は、このすべてに関わったのだ。
ここで、少し説明が必要かもしれない。「ロボット」と一口に言っても、異なる文化が存在する。ROBO-ONE競技のようなホビーロボットの世界、本田技研工業のASIMOのような企業が開発するロボットの世界、それに学術研究機関が開発するロボットの世界は、それぞれ文化が違うのだ。
だから、ROBO-ONEの第1回大会を日本科学未来館で開催した時には反対意見もあったそうだ。ROBO-ONEは、ロボットどうしが相手をひっくり返そうとして闘う。一方、学術の世界でロボットを研究してきた研究者にとって、相撲やレスリングに似た格闘技をロボットにやらせることには大きな抵抗があったのだ。中川らは「第1回はぜひうちでやりましょう」とROBO-ONE開催に向けて説得に回った。結果として、日本科学未来館での第1回ROBO-ONE大会を実現させることになる。ROBO-ONEの人気はホビー向け人型ロボットの部品開発を大きく加速させ、世界的に業界を変えていくことになる。

身長が高すぎても、低すぎてもいけない

人と触れ合うロボットで、柔らかさ、軽さと同様に重要な要素はロボットの「身長」だ。RIC90の身長は100〜120cmと人間の子ども並の身長を持つ。数字に幅があるのは、外装の「着ぐるみ」の種類により身長が変わるためだ。
この身長は、人間と触れ合うとき、またコミュニケーションを取るときに重要な意味を持っている。
本田技研工業のASIMOの身長は初代は120cm、その後登場したタイプでは130cmある。複数種類のロボットを扱う経験をして、中川はこのASIMOのサイズが「人間とのコミュニケーションを取るには一番いい」ことを知った。これより小さくても、大きくても、良くないのだ。
1999年にソニーが発売した犬型ロボット「AIBO」は、小型犬のような大きさと外見だった。こうした小さなロボットは、高さがある台などに置かない限り人間とは目線が合わない。こうした小さなロボットに話しかける時、多くの人は愛玩動物や赤ちゃんに話しかけるような言葉使いになってしまい、音声認識や会話理解への応用がかえって難しくなってしまう。
一方、大きすぎても良くない。ASIMO以前の本田技研工業の二足歩行ロボットは、1996年発表の「P2」が身長182cm、1997年発表の「P3」が160cmだった。大人の人間並みのサイズだ。近づくと、恐怖心を覚える場合がある。
この時期の経験から、ロボットと人との新しいコミュニケーションの形を実現するには「人と触れ合う」ことが、別の言い方をするなら「メディアとしてのロボット」の要素が、どうしても必要なのだ──このように中川は直感した。
アールティは仏アルデバラン・ロボティクス社の人型ロボット「NAO」の販売代理店でもある。NAOは身長58cmと人間の子どもよりずっと小さい。アルデバラン・ロボティクス社が2014年にソフトバンクと共同で発表したロボットPepperは約120cmと、初代ASIMOとほぼ同じ身長だ。「NAOで経験を積んで、より大きなロボットが必要なのだと分かったのだろう」と中川は考えている。

2013年のRoboCup標準プラットフォームリーグの決勝戦の様子。人型ロボットのNaoが競技の「標準プラットフォーム」として使われている。

柔らかさへのもう一つの取り組み、「Life Motion System」

「柔らかさ」への挑戦が別の形となった製品が、アールティが2014年6月にロボット研究者などに向けて販売を開始した「Life Motion System」だ。従来のロボットの動きは、モーターを「位置制御」で駆動していた。Life Motion Systemでは「位置制御」と「力制御」のハイブリッドで駆動する。この技術により、例えば「人がロボットアームをつかんで力を入れると、ロボットアームもその通りに動く」といった動作が可能となる。人の腕の微妙な力加減に、ロボット側が合わせて一緒に動いてくれるのだ。これは、従来の「位置制御」だけでは実現できなかったことだ。「柔らかい」ロボットへ向けた次のステップといえる。
Life Motion Systemは最終製品ではなく、ロボットのパーツとして使うものだ。想定ユーザーはロボットの研究者などだ。「Life Motion Systemを使うことで、ロボットの研究開発の時間を大幅に短縮できます」と中川はいう。研究分野にも通じたロボットショップならではの商品企画といえる。

原点の「マイクロマウス」には今も関わり続ける

中川が、どのように今の考え方に到達したのかを知りたくなり、ロボットへの取り組みの「原点」について話を聞くことにした。
中川が出会った最初のロボットは「マイクロマウス」だった。ロボットが四畳半ほどの広さの迷路を解く時間を競う。1989年、大学1年生の時だった。
工学部電気工学科に入学した中川は「マイクロマウス」に一目惚れした。自走するロボットが自力で迷路を探索していく様子を見て、「これはすごい」と感じた。サークル活動でマイクロマウスに打ち込んだ。
「マイクロマウスは、ソフトウェア、電子回路、メカの『心技体』が三つ揃わないとトップを狙えない。だから、ロボットの基礎を学ぶにはとても良い題材です。日本でも、世界を見ても、ロボット研究の第一人者はマイクロマウス出身者が大勢います。大学時代にマイクロマウスを手がける学生は、就職に失敗することはほとんどありません」
マイクロマウスには長い歴史がある。1977年に米学会IEEE( The Institute of Electrical and Electronics Engineers)が提唱し、日本で競技が始まったのが1980年だから、30年以上の歴史がある。それにもかかわらず、ルールはほとんど変わっていない。中川は今、後進を応援したいとマイクロマウス大会で副実行委員長を務める。
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