マレーシア航空17便の墜落現場 ZUMA24.com
乗客283人、乗員15人を乗せたマレーシア航空の旅客機が17日、戦闘の続くウクライナ東部ドネツクで墜落した。米国の情報当局は、同機が地対空ミサイルで撃墜されたとみている。誰がミサイルを発射したかについては、当局者の間で見方が割れている。親ロシア派の関係者は、民間航空機を撃ち落とす技術は持っていないと話す。この墜落に先立ち、今年3月にはマレーシア航空370便が消息を絶っている。
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1)乗員乗客
オランダのアムステルダムからクアラルンプールに向かっていたマレーシア航空17便のボーイング777型機が17日に地対空ミサイルで撃墜されたとき、乗客数は283人、乗員数は15人だった。同機はロシア国境に近いウクライナのドネツク上空を飛行していた。
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2)ミサイル
地上から約1万メートル上空を飛行していたボーイング777型機は「Buk」と呼ばれる地対空ミサイルで撃墜された可能性がある。Bukミサイルは旧ソビエト連邦が開発したもので、射程距離は高度4万フィート(約1万2000メートル)を上回る。音速の3倍で飛行するターゲットを撃ち落とす能力を持ち、約55キログラムの弾頭を搭載できる。
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3)非難合戦
非難合戦はすぐに始まった。ウクライナ軍もロシア軍もこうした地対空ミサイルシステムを配備している。分離派の一部は最近、ミサイルシステムをウクライナ軍から略奪したと主張していた。ウクライナ内相の顧問、ゲラシチェンコ氏は親ロシア派の分離主義者が旅客機を撃墜したと非難。一方、ロシアのプーチン大統領は、この地域での戦闘にはウクライナ側が責任を負うと主張、またロシアの関与を否定した。
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4)困難な調査
航空機の墜落調査は時間がかかり困難を伴うのが常だ。マレーシア航空17便の調査はとりわけ難しい。同機が墜落したのはウクライナ政府ではなく、反政府勢力が支配するエリア。ウクライナ側は親ロシア派が航空機のデータやブラックボックスを回収したと主張している。墜落現場の保全に対する懸念もある。映像には親ロシア派とみられる救助隊員、メディア関係者や市民の姿が映し出されていた。調査団はまず、戦闘地域の中心部に当たる、荒れ果てた広い地域に散らばったがれきを調べる必要がある。ブラックボックスや物的証拠を調べられれば、調査官はどちらの当局に詳しい調査の責任があるかなど調査の第一歩となる決定を下すことができる。マレーシア航空も調査活動に参加する運びだ。
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5)マレーシア航空はどうなる?
マレーシア航空は今後、規制当局の調査を受けるほか、メディアの取材攻勢にさらされることになるだろう。同社は政府系企業。今も3月に370便が消息を絶った事件による打撃からの回復途上にある。予約のキャンセル、長引く財務不安、価格競争の激化など、同社の将来には不安が山積みだ。