【画像】自分でダーマローラーを使ってニキビ跡クレーターを改善する方法
ダーマローラーとは?
ダーマローラーとは、マイクロスパイクといわれる極細の針がついたローラーを使い、それを肌の上で転がして意図的に皮膚に孔(穴)をあけ、その穴を修復するために放出される成長因子(細胞増殖因子)によって、新しい皮膚との入れ替えやコラーゲン増生を促す治療法です。誰にでも備わっている自然治癒力を利用した治療といえます。
ダーマローラーは、ニキビ治療やしわ・小じわに対するエイジングケア治療として美容クリニックを中心に行われていますが、器具さえ購入すれば自分で行うことができます。今回は、ダーマローラーを自分で行う方法を解説します。
ダーマローラーがニキビ跡に効果的な理由は?
ニキビ跡の凹みは、炎症によってコラーゲンなどの線維組織が破壊され、萎縮して硬く瘢痕化した状態です。ダーマローラーのような治療は、凹んだ皮膚に対してコラーゲンを増加させるだけではなく皮膚そのものの入れ替えを促すことがポイントです。
高周波治療(主にサーマクールなど)では皮膚に熱エネルギーを与え、その反動で単にコラーゲン増生を促すものですが、ダーマローラーの場合は、皮膚に微細な穴をあけることで成長因子を放出し、コラーゲン増生とともに皮膚の入れ替えを促すことでニキビ痕の萎縮した瘢痕組織を正常化していきます。
ニキビ跡治療におけるダーマローラーの作用原理
ダーマローラーによる治療は、極細の針を使って皮膚に穴をあけ、皮膚にできた傷を修復するために放出される成長因子を利用した治療です。
放出された成長因子によって皮膚の入れ替えが促され、硬く萎縮した瘢痕が正常化し、さらにコラーゲンの増生が促されることでニキビ痕のクレーター状に凹んだ状態を平らに治していきます。ダーマローラーによる肌ダメージは、垂直方向の微細な穴であり表皮に対してはダメージを与えないため、通常は色素沈着を起こすことはありません。ただし、誤った使用を行うと肌を傷つけて色素沈着を起こしてしまうこともあります。
ダーマローラーの効果
- 一度の治療で10~15%の皮膚の入れ替えを実現できるとされます。(ただし、使用する針の長さによって効果は異なります)。
- コラーゲンが2倍から最大10倍に増加する。(使用する針の長さによって効果に違いがあります)。
- 単にコラーゲンを増加させる治療ではなく、皮膚を入れ替えることでニキビ跡のクレーターの正体である瘢痕組織を正常化しますので、一度にきび痕が治ってしまえば再発することがありません。
適応症状
- ニキビ跡のクレーター、皮膚の陥没した凹み。
- 毛穴の開き、毛穴のたるみ、帯状毛穴。
- しわ、こじわ、ちりめんじわ。
- 妊娠線、肉われ。
- 傷跡、外傷跡、注射跡、リストカット跡など
- 成熟瘢痕、肥厚性瘢痕。(進行性のあるケロイドには不可)。
- 肌のくすみ、薄いシミ。
- 毛孔性苔癬。
ダーマローラーの針の長さの違いによる効果の違い
針の長さ | 適応症状 |
---|---|
1.5mm | 1.5mmは、ニキビ跡の皮膚の深い凹みに有効な針の長さです。また、しわ、たるみ、傷跡、妊娠線、肉割れにも使用されます。1.5mmの長さでは出血が強く、麻酔のレベルによっては強い痛みを感じるかもしれません。 |
1.0mm | 1.0mmは、ニキビ跡のクレーター、傷跡、毛穴の開き、毛穴のたるみ、しわ、たるみ、小じわなどに有効です。ニキビ跡のクレーターに対して個人で行う場合は、このくらいのレベルから始めたほうが良いかもしれません。 |
0.5mm | 0.5mmは、肌のくすみ、シミ(種類による)、毛穴の開き、しわ、小じわ、肌のキメ改善に有効な針の長さです。このレベルの針の長さではニキビ痕のクレーターにはあまり効果が期待できません。 |
0.2mm | 0.2mmは浅い層のシミ治療やキメの改善目的に用いられます。また、薄毛治療でも使用されます。この長さでは麻酔なしでも我慢できるレベルの痛さです。0.2ミリではニキビ痕のクレーターには効果は期待できません。 |
ダーマローラーを自分で行う手順
用意するアイテム
- ダーマローラー・・・個人輸入サイトやオークションなどから通販購入できます。価格は5000~7000円程度が目安です。様々なメーカーから販売されていますが、品質の良いものを選びましょう。
- 麻酔クリーム・・・個人輸入サイトやオークションなどで通販購入できます。「エムラクリーム」という製品が有名です。
- エタノール・・・使用後のダーマローラー消毒用。ダーマローラーを1回で使い捨てる場合は不要です。
- プラセンタエキス美容液・・・成長因子を含むプラセンタを使用することで、さらに効果が高まります。必ずしも必要ではありません。
治療前の注意点
- 治療前は日焼けを避けましょう。
- 肌荒れ、湿疹などがある場合は行うべきではありません。
- 体調を整えましょう。体調が悪いとダウンタイムからの回復が遅れてしまうことがあります。
- 治療後は出血し、その後数日間は赤みが残ることがあるため、仕事などに余裕があるときに行いましょう。
治療手順
Step1洗顔・クレンジングをして肌の汚れを落とす。
Step2麻酔クリームで表面麻酔をかける。麻酔時間は30~40分ほどです。(普通は麻酔をかけないと痛みが強くて治療できません)。
Step3麻酔が効いた後は、洗顔で麻酔クリームを落とす。
Step4ダーマローラーを取り出して針が折れてないか、品質に異常がないか確認する。
Step5ダーマローラーを肌の上で転がしていく。一部分に5往復ほどが目安です。同じところを集中的にやりすぎないようにしましょう。針が長いほど出血がひどくなり、麻酔のレベルによっては痛みを感じることがあります。また、皮膚に穴をあけながら、コットンに含ませたプラセンタ原液を塗りこむように塗布するのも効果的です。(プラセンタは成長因子を豊富に含みます)。
Step6治療後は、お化粧のような肌に負担がある行為は避けます。
アフターケア
- 治療中は出血しますが、血はすぐに止まり、皮膚の穴は数十分でふさがります。
- 治療後は顔が赤くなり、ほてりを感じることがあります。
- 治療後は数日かけて点状のカサブタが無数にできて、自然に剥がれていきます。それを無理に剥がさないようにしましょう。
- カサブタが剥がれるまで、お化粧などの肌に負担をかけるようなスキンケアはできる限り控えましょう。
- 保湿はしっかり行いましょう。肌の水分量が高くなるほど再生力が活発になります。
- 治療後は特に紫外線対策を行いましょう。
ダーマローラーの品質の注意点
- 使用する前に、針が折れていないか、品質に異常がないか必ず確認しましょう。
- ダーマローラーの器具は複数回使用することができますが、できるだけ新しいものを使うのが理想的です。
- ダーマローラーの器具を複数回使用する場合、使い終わったら水で洗い流し、最後はエタノールで消毒しましょう。エタノールはドラッグストアなどで購入できますが、絶対に火元で使用してはいけません。火気厳禁!
- 自分以外の人が使ったものを使用したりしないようにしましょう。感染症の原因になることがあります。
ダーマローラーの副作用・注意点
- 基本的には医師のもとで行うのが理想です。一度、医師のもとで治療を行った後に自分で行ったほうがトラブルが起こりにくいかもしれません。
- 使用中に強い痛みを感じたら、無理をしないようにしましょう。
- ケロイド体質などにおいては、傷跡が盛り上がって余計にひどくなることがあります。治療判断が難しいところです。
ダーマローラーの難点
ダーマローラーの難点は、針が長くなるほど痛みやダウンタイムが増すことです。痛みは麻酔によって我慢できたとしても、針で皮膚に穴をあける治療であるため出血をすることや、術後から数日は赤みが残ったり、点状のカサブタができるようになります。そのため、仕事や生活などに負担がかかってしまう難点があります。ダーマローラーを自分で行う場合は、生活に余裕がある時に行うのが理想的です。