なぜ日本の少子化対策のカギが「フレンチ・パラドックス」なのか?
「休暇をたくさん取るのに、GDPは世界5位」
「女性は、ママになっても女性でいようとする」
「結婚が減少しているのに出生率は伸び続け、子どもができても仕事を辞める女性がほとんどいない」
上のように、フランスにはいくつものパラドックス(矛盾)が存在しています。そう語るのは、日本のテレビ出演や大学講師などさまざまな顔を国際ジャーナリストのドラ・トーザン(Dora Tauzin)さん。トーザンさんは世の中が多様化した中で、フランス独自のユニークな社会性をネタ元の無限大(mugendai)のインタビューで答えています。
例えば、フランスには戸籍という制度がありません。また学校教育も大学まで無料なんです。そしてあらゆる面で政府が社会保障を充実させてくれるのだそうです。これらの政府の援助はヨーロッパでも一番手厚いそうですよ。
では社会保障が十分にあるフランスでは今、どんな変化が起きているのか。この記事の本題はそこです。フランスで起きている最大の変化は、継続的な支援のおかげで安心して子育てができる環境と制度が充実してきたため、以前は低かった出生率の向上につながっているそうなんです。これって、日本の少子化の流れと真逆じゃありませんかね?
QOL(クォリティー・オブ・ライフ)という生き方を大事にするフランス人と、つねに仕事、仕事でオフとオンがはっきりしていない日本人。一見相反する生き方に見えますが、働き方へのアプローチから少子化の問題までを解決するヒントをトーザンさんは現代のフランス人の生き方を通して紹介しています。毎日に少し疑問を感じたら、一度深呼吸してみてもいいかもね。
(鴻上洋平)