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 原子力規制委員会は16日、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼働に事実上の「お墨付き」を与えた。「馬鹿にしている」「極めて非常識だ」――。3年以上たったいまも原発事故の被害に苦しむ県内では、怒りの声が上がった。

 「福島を馬鹿にしているとしか言いようがない」。福島県北農民連の服部崇事務局長(43)は語気を強めた。地元で育った農産物を食べてもらいたいと、全国を飛び回って営業をしている。「『原発を再稼働させない』という震災当時の思いを貫くことが、福島にとって一番の支援になる」と力を込めた。

 福島県産野菜に出荷制限が出た翌日に父親が自殺した、須賀川市の農業樽川和也さん(39)も「万が一の事故が起きた時、リスクが大きすぎるのが原発だ。再稼働は考えられない」とあきれる。