【フレッシュ球宴】ロッテ・アジャ、体重114キロ躍動!2発でMVP!
◆イースタン選抜7―6ウエスタン選抜(17日・長崎)
12球団若手選手による「フレッシュオールスターゲーム2014」が17日、長崎県営野球場(ビッグNスタジアム)で行われ、イースタン・リーグ選抜が体重100キロ超の巨漢2人の本塁打などで勝利した。114キロのロッテ新人・井上晴哉内野手(25)が8回の決勝ソロを含む1試合2発。105キロの西武新人・山川穂高内野手(23)は3回に2ランを放った。最優秀選手(MVP)には井上が選ばれ、賞金100万円を獲得した。対戦成績はイ選抜の19勝27敗5分けとなった。
こん身の“ドヤ顔”で114キロの巨体を揺らした。同点の8回先頭。井上が突き出たおなかを鋭く回し、内寄りの直球をはじき返した。「狙って打った。完璧です。快感に浸っていて打球は見てないです」。左翼席最上部で弾み、場外へと消える決勝ソロ。1994年の中日・井上以来、20年ぶりの1試合2発をぶちかまし、文句なしでMVPに輝いた。
“0・1トン対決”にハートが燃えたぎっていた。初回2死二塁から中越え2ラン。山川が左翼線二塁打を放って先取点を挙げた直後だった。アマチュア時代から面識があり、同じ体重100キロ超の肉体の持ち主に「僕の『弟』なので、負けないように」と対抗心を抱いていた。試合前練習では2人でホームラン競争を敢行。3回、山川が1発を放つと「やるな、コイツ。イーブンだな」と8回のV弾につなげた。
オープン戦で打率・435をマークして、1960年以降初の新人首位打者に輝いた。球団64年ぶりとなる新人開幕4番を務めたが、5月2日に2軍落ち。ファームで配球などから打撃を見つめ直し、復調の兆しを見せていた。チームはキューバの大砲・デスパイネの獲得が決定したが「ここにも『助っ人』がいるんだけどなぁ…働きますよ」と悔しさを口にしていた。日本生命時代に「アジャ・コングに似ている」と「アジャ」のあだ名をつけられた元主砲が、夏の祭典でうっぷんを晴らした。
山川と一緒のお立ち台では、インタビュアーに「お立ち台が壊れないか心配です」と突っ込まれた。MVPの賞金100万円の使い道は「貯蓄です」と控えめだったが、「これからどんどん成長していきます」と伊東監督に熱烈メッセージを送った。「次は山川と1軍で打ち合いたい」。1軍でのライバルとの再戦を思い描いていた。(中村 大悟)
◆井上 晴哉(いのうえ・せいや)1989年7月3日、広島市生まれ。25歳。3歳から野球を始め、崇徳高では高校通算31本塁打も甲子園出場なし。中大―日本生命を経て、13年ドラフト5位でロッテに入団。女子プロレスラーのアジャ・コング似の顔から愛称は「アジャ」。180センチ、114キロ。右投右打。年俸1200万円。