マレーシア機はミサイルで撃墜か ウクライナ大統領「テロ行為」、親ロ派は否定
マレーシア航空のアムステルダム発クアラルンプール行き旅客機ボーイング777が17日、ウクライナ東部ドネツク近くのロシア国境付近で墜落し、ウクライナ内務省などによると、乗員15人と乗客283人の全員が死亡した。
バイデン米副大統領は17日、「事故ではなく撃墜されたとみられる」と表明。米主要メディアは、米情報当局が地対空ミサイルで撃墜されたことを確認したと報じた。墜落現場付近ではウクライナ政府軍と親ロシア派の戦闘が続いている。
ウクライナのポロシェンコ大統領は「テロ行為」と非難し、親ロ派武装組織やロシア軍による攻撃が原因との見方を強く示唆。ロイター通信は、親ロ派がミサイルを発射したと強く疑っているとの米当局者の話を伝えた。
親ロ派組織「ドネツク人民共和国」当局者もロシア国防省も関与を否定した。
マレーシア航空幹部は乗客283人のうち判明した242人の国籍を発表、オランダ人が154人と最も多く、マレーシア人28人、オーストラリア人27人など。乗員は全員マレーシア人。日本政府関係者は18日、国籍不明の搭乗者41人の中に、日本人と識別できる名前はなかったと述べた。
ウクライナ大統領府は、墜落現場空域でウクライナ軍機が作戦に従事した記録はないと主張。ウクライナ側による誤認攻撃の可能性を否定した。
マレーシア航空機は約1万メートル上空を飛行中だった。ウクライナ保安局は親ロ派武装組織メンバーがロシア軍幹部と会話したとする盗聴記録を公表。民間機を軍用機と誤認して撃墜した可能性を示しているというが、真偽は不明。
一方、タス通信によると、ロシアのプーチン大統領は、領空の安全を保証できないウクライナ政権に責任があるとの考えを示した。
国連安全保障理事会は18日に緊急協議を開く方針。国連の潘基文事務総長は17日、記者団に「完全かつ透明性のある国際的な調査が必要だ」と述べ、真相解明に積極的に関与する考えを示した。