『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(原題は”Edge of Tomorrow”)を3D・吹き替え版でみました。話のテンポがとってもいいし、パワードスーツで異星の生物「ギタイ」と戦うアクションシーンもいい感じでかなり楽しめました。以下で簡単に感想を。
これハリウッド版『高機動幻想ガンパレード・マーチ』 じゃねーか!最高だよ!
まず思ったのは、これ設定というか状況が、まんま『高機動幻想ガンパレード・マーチ』じゃねーか!という。と思ったら原作者の方がそれを公言しておりました。
コミックナタリー - [Power Push] 映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」特集、原作者・桜坂洋が発想の源泉と映像化への期待を語る (2/3)
──「All You Need Is Kill」は、登場人物が同じ時間を何度も繰り返すいわゆる「ループもの」にカテゴライズされる作品だと思いますが、「ループ」をテーマにした理由からお伺いできますか。
桜坂 2000年くらいですかね、「高機動幻想ガンパレード・マーチ」っていうループを題材にしたゲームのプレイ日記をWEBで読んで、そこから着想を得たんです。書こうと決めてからは、とにかくそういうテーマの作品を読んだり見たりしようと思ったんですが、まあ情報を集めるのが大変でした。
原作者の方が言ってんならそうだよなーと思いつつも、この『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、僕は桜坂洋さんの原作未読、ヤングジャンプに連載されていた漫画版は読んでいる、という感じなんですけど、正直漫画版を読んだ時はそんなにガンパレっぽさを感じなかったんですよね。でも映画版ではそれを強く感じた。それは地図だったりで人類の戦況とかを語っている冒頭のシーンが印象的だったからというのがひとつ。下のはガンパレの画面。本作だとここまでは追い詰められてませんでしたね。この冒頭の説明のスピーディな感じは『パシフィック・リム』を連想したりも。
でそんな地図より何より、作中のリセットの潔さ、スピード感とか、その「ゲーム感覚」がガンパレを連想させた一番大きい要因なんじゃないかと。「あ、ダメだ」と思った瞬間なんの躊躇もなくトム・クルーズをぶっ殺す、エミリー・ブラント演じる歴戦の兵士、リタ・ヴラタスキ。彼女の姿に、ガンパレで壬生屋が戦死するたびに最後にセーブしたのはいつだろうかと不安になりながらリセットした自分を重ねるゲーマーは少なくないと思いますよ(適当)。なんの躊躇もしないあたりリタの振る舞いは完全にハードゲーマーのそれですよ。作業としてゲームをやってて目標に到達できないと踏んだら即リセットする感じ。ゲームは遊びじゃねえんだ!みたいな鬼気迫る雰囲気を感じる。
その軽薄なゲーム感覚のおかげで、出口の見えない苦しい戦いを、結構気楽に見れたりもする。その「苦しさ」が全面にでるシーンももちろんあるんだけど、ギャグのほうが印象的だったり。多分その軽薄さは作ってる人たちの意図するところだとも思うんですよね。じゃなかったら、
リタのピストル「バン!」(トム死亡)
軍曹「ウジムシ!」(トム起きる)
リタのピストル「バン!」(トム死亡)
軍曹「ウジムシ!」(トム起きる)
リタのピストル「バン!」(トム死亡)
軍曹「ウジムシ!」(トム起きる)...
みたいなギャグを挿まないんじゃねーかと。ここは本当に最高だった。あと
大塚芳忠「あいつ、そんなに腕立ていやだったのか...」
みたいな。死を大真面目に扱うのでなく、ゲームチックに、軽薄に扱って見せるその演出が、終盤、もう後がなくなった時のハラハラ感を効果的に煽っている。いやー、ほんとに楽しかったです。最後もパシリムかよ!X-MENかよ!都合良すぎだろってなりましたけどね、楽しかったんですよほんとに。
All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
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