原子力規制委員会はきょう、鹿児島県の川内原発について「新たな規制基準に適合している」とする審査書案を発表した。
福島第一原発の事故後の安全審査に、全国で初めて「合格」したことになり、今後、再稼働する見通し。
原発事故に苦しむ県民はこの動きを複雑な思いで受け止めている。
16日、原発事故で浪江町から避難する住民たちが暮らす仮設住宅では、住民がテレビで流れるニュースに複雑な表情で見入っていた。
*男性インタビュー
「ちょっと時期尚早のような感じがする」
*男性インタビュー
「再稼働するのはあまり良くないと思う」
そのわけは、原子力規制委員会が、16日、鹿児島県の川内原発について「新たな規制基準に適合している」と審査書案を了承し、再稼働に向けて、事実上の「合格」となったからだ。
新たな規制基準は、福島第一原発の事故を教訓に地震や津波、重大事故などの審査項目を定めたものが、「合格」となるのは全国の原発で初めてとなる。
今後、九州電力は、地元の合意を得た上で、ことし秋にも川内原発を再稼働する方針。
原発事故を受けて、福島県や県議会は政府に脱原発を求めているが
政府は再稼働を改めて認める方針を示した。
*菅官房長官インタビュー
「(Q審査基準の安全性が確認されれば、粛々と再稼働と言っているが?)そこは全く変わりない」
こうした動きに県民は…。
*女性インタビュー
「合格となれば、私たち個人が反対しても、国が受け入れもらえるものでもないから、黙って見守っているしかない」
*男性インタビュー
「こういう(避難)生活を強いられている側からすれば、本当は原発はなくしたい」
動き出す、全国の原発の再稼働。福島第一原発事故の教訓が本当に生かされているか、厳しい監視が求められている。
2014年7月16日 20:52