株式会社ネットコンシェルジェ

JUL
18

2014

質の高いライターとコンテンツマーケティングをしたい企業をつなぐContently

当ブログの読者であるあなたなら、コンテンツマーケティングという言葉は何度も耳にしていることだろう。ソーシャルメディアの普及に伴って、シェアされやすい面白いコンテンツを発信することは、ECサイトにとっても重要なマーケティング活動となってきた。

しかし、まだまだ「面白い!」と純粋に思えるコンテンツはなかなか生まれてきていない。原因の1つは、発信者とライターのミスマッチだ。

今日は、質の高い長文を世に出すことにスポットを置き、文章を書くことを愛してやまないフリーランスのライターと、コンテンツを発信したい企業とをつなぐプラットフォーム「Contently」をご紹介しよう。

質の高い長文の時代がくると確信して

Contentlyの共同創設者はJoe Coleman(写真左、以下コールマン)氏とShane Snow(写真中央、以下スノー)氏、Dave Goldberg氏の3人。

スノー氏自身もフリーランスのライターで、ライターが仕事を探しやすく、良い文章が世の中に出回るようにしたいと考え、文章を書いてほしい企業とフリーランスのライターをつなぐマーケットプレイスを2010年に立ち上げた。現在では約3万人のフリーランスのライターが登録している。

コールマン氏ははじめ、安いライターにSEO、つまり検索エンジンの最適化のための記事をたくさん書かせてお金を得ようとしていた。そしてプラットフォームを通じていろんなビジネスがライターたちとつながるようにと考えていた。

しかしコールマン氏を手伝っていたスノー氏は、その方針に異議を唱える。同氏はジャーナリスト学校の経験を通して、これからはSEOからの仕事の需要は下がり、ただ量産されているだけの記事より、質の高い記事の方が求められる時代になると確信していたのだ。

スノー氏の意見が受け入れられ、彼らは戦略を変える。SEOのために機械的に最適化された文章ではなく、真のエキスパートや本物のライターを必要としている企業をターゲットにすることに決めたのだ。

"僕たちは、メディア企業がもっとコスト削減できないかもがいているのを知っていたし、ライターたちがノドから手が出るほど仕事を欲しがっているのも知っていた。Contentlyが両者をつなぐことで、その両方の問題を解決できると思ったんだよ"
- スノー氏

コールマン氏らは、ライターの作品のポートフォリオを無料でショーケース上に公開できるサービスを作ったり、出版側にはプロジェクトマネジメントソフトを提供してライターを探したり、雇ったり、クラウド上で出版にかかわるマネジメントができるようにした。

そしてサイトを使うのみの作業で、雑誌をつくるすべてのスタッフが一堂に会し、その工程をクラウド上で行うことができるシステムを作り上げたのだ。

ライターと企業、どちらにもメリットがあるサイト

企業側がContentlyを利用する一番のメリットとして、登録ライターの質が高いということが挙げられる。

同サイトでは、ライターを実績と人物審査の両面で審査する。審査基準は、「このライターが本当に本人であるか」といったごく基本的な事柄から、「高い編集水準の出版元でよい作品を出してきたか」「トップ100の新聞、雑誌、ブログなどで書いた経験はあるか」「締切を守って編集者たちとうまくやっていける人材か」などライティングのスキルに深く関わる項目まであるという。

Contentlyを使えば、仕事の割り振り、編集カレンダーでの進捗状況の確認、記事のフォーマットの設定も簡単に行えるという。企業は個別にライターと連絡を取り合わなくても、Contentlyのサイト上でレポーターやエディター、弁護士などすべてのスタッフをバーチャルチームとして仕事を進めることができる。

そのシステムの利便性の高さから、メディア企業の中には、企業内部のスタッフの編集作業のためにContentlyのソフトを使うことさえあるそうだ。また、ペーパーワークなしに、賃金の支払いも行える。Contentlyを利用すれば表計算シートや付箋メモ、途方もないメールのやりとりなどを排除することができるのだ。

一方、フリーランスのライター側は、ショーケースにこれまでの自身の作品を載せ、ネット上で公開できることに大きな利点がある。

その結果、高収入の仕事や有名な出版社と仕事をするチャンスが生まれる。誰でも簡単にとても有名なプラットフォームにでている他のフリーランスのライターやスタッフとコネクトできるようになるのだ。

また、できあがった記事の配給管理もしている。たくさんのネットワークの中から最も効率よく、できあがった記事を売り込むことができるということだ。

Contentlyでは「コンテント・マネジメント・システム」というシステムを用いており、できあがった記事の見出しを数あるネットワークを通して発信している。これにより、たくさんの違うメーカーとのやりとりをする必要がなくなるのだという。

さらにContentlyでは、良い記事を作ってもらうために記事のインスピレーションになるようなデータも提供しているという。ただ企業や仕事にアクセスしやすくなるだけでなく、より質の高い仕事ができるための環境が整っていることが、ライターからも支持されている理由のひとつだろう。

「壊れかけていた産業を立て直したい」

現在、Contentlyにはたくさんの企業が顧客としてつくようになった。ほとんどの場合、企業がジャーナリストとコネクションを取るために1回だけContentlyを使うといったようなことはないそうだ。大抵はContentlyの用意したツールを使い、効率的で質の高い環境を享受しているという。

ただライターと企業を結びつけるのでなく、「お互いが継続的に仕事のやりとりをするための質の良いシステム」を提供しているところに、同サイトの大きな意義があるのだろう。

"ライターたちを助けることでメディアの世界をよりよい方向にもっていけること、そして彼らが愛してやまない『書く』ということにおいてキャリアを積めること、それらの手伝いができることが僕の毎日のモチベーションだ。僕らは壊れかけていた産業を立て直したい。そして米国の雇用の状況をよくしたいんだ"
- スノー氏

著者プロフィール
尼口友厚 株式会社ネットコンシェルジェ 代表取締役社長
国内第一線のウェブコンサルティング会社(株)キノトロープで大手通販コスメ会社(現在は上場)のeコマース支援を行う。その後同社の支援を得てeコマース専門のプロデュース会社(株)ネットコンシェルジェを設立。2003年の設立以来、年商○00億円を超える超大手サイトから、スタートアップ企業のeコマース立ち上げまで、その実績は約8年間で125社に上る。

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    株式会社ネットコンシェルジェ代表取締役

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