秘密の暴露*1
今日わたしは皆様方にとある残酷な事実を伝えたいと思う。
このことについては、今まで他人様のブログで言及されているのを拝見したことがない。おそらく大人が抱え墓まで持って行く、本当はそんな大切な秘密なのかもしれない。
しかしわたしはここに意を決す。
自分の心の健康のために、わたしのように純粋無垢*2なみんなの明日の*3健康のために、ひいては人類の幸福のために、気付いてしまったこの真実を、どうしても伝えねばなるまい。
「人は食べたら太る」
よろしいか。人は食べたら太る。しかも必ず太る。今は太らなくても将来太る。も、間違いなく太る。笑っているあなたも太る。頷いているあなたなら多分もっと太る。
こんな重要で残酷でしかしどこまでも公平な真実が、誰にも明かされずに大人たちに当たり前に共有されていたなんて、わたしは30歳まで気付かなかった*4。
なんということだ。わたしの人生の主宰者ないしは責任者を可及的速やかに呼び出しフローリングの上で正座をさせ長々と説教をくらわせた上でちょっと外を走ってこいと命じたい。しかしながらわたしの主宰者であり責任者である人物とは当然ながらわたし自身であり、であれば外を走るなどという蛮行に当たれば直ちに動作不全に陥りますますもって太ることうけあいだ。わたしは医師にさえ走ることを禁じられているのだ。どうしてくれる。どうしたらいい。どうするべきなの?
どうしよう…(悲壮な顔つきで)
そうだ、わたし、自転車乗る!
走りたいのに走れない。走れないのに走りたい。職場で同僚から上司までみんなで横浜マラソンの第一回大会に申し込んでてずるい。*5その上、走れ走れって嵐までわたしを責めてきてつらい。*6
つらい。
でも、そうだ、わたし、自転車乗れる!
リハビリのPTさんも「自転車乗れるようになったらリハビリにいいから無理の無い範囲で乗ってね」って言ってた!確かに言ってた!ちょっと脚色したし拡大解釈したけどそんなようなこと言ってた!言ってたもん!乗っていいって!!自転車!!!
ということで、社会人の味方ボーナスを味方につけ、梅雨のダウナーなテンションからのいっそ壊れとけなハイテンションの波に乗り、この子買った。
スポーツバイクの入門モデルとして定番のGIANTのESCAPE R3.0 2015年先行モデル。
サイズ:370(XXS)、430(XS)、465(S)、500(M)mm
重量:10.2kg(500mm)
カラー:ブラックトーン、ブルートーン、ホワイト、
ネオンイエロー、キャンディレッド
フレーム:ALUXX-Grade Aluminum
フォーク:クロモリ
ドライブトレイン:シマノ・アルタス/M191
クランクセット:PROWHEEL SWIFT Triple
ブレーキ:シマノ・EF51+テクトロ・RX1
ホイール:GIANT SPINFORCE LITE
タイヤ:MAXXIS DETONATOR 700x28C
変速段数:24(3×8)
2014 Giant Bicycle [ESCAPE R 3 (2015 NEW)]
ところでわたしは自転車に名前をつける習慣がある。最初は中学一年生のときで、「竜馬」と名付けた。坂本龍馬だ。その自転車は小学校に上がる時分に与えられたものであり、黄色と紫色と赤色のカラフルボディ、どこが竜馬なんだっつー話なんだが、とにかくそう名付けた。それが最初だ。次に買ってもらった自転車には「トシ」と名付けた。土方歳三である。なぜか。たまたまその自転車を買ってもらったとき、「燃えよ剣」を読んでいただけであると念のため告白しておく。わたしは歴女ではなく、ただのミーハーなのだ。「竜馬」だって、「龍馬」ではなく「竜馬」という字を当てていることからも察せるように、三谷幸喜の「竜馬におまかせ」で浜田雅功演じる竜馬に惚れてまってただけなのだ*7。その次の自転車は夫が一人暮らしをしているときに買った安物の8,000円くらいのノーギアのママチャリで愛情が無かったので名前をつけなかった。自転車に愛情がわかないというのは初めてだった。わたしはこの自転車を譲り受け、家に持ち帰るために文の京(みやこ)から東京→川崎→横浜と第一京浜でトラックの煙にいぶされながらえっちらおっちら二人で長い旅をしたのだ。にも関わらずひとかけらも愛情が沸かぬ。むしろすごい。その旅の夜間に猛烈な全身の痛みに襲われたから逆恨みしているのかもしれないし、ただ単に夫が嫌いなのかもしれなかったが、それは考えない方がいいのに違いないのでやめよう。さてそして一番最近の自転車は「ライナス」という名前だ。こいつは、これからも街乗りに役立ってもらうつもりである。
そういうわけで、新車にも名前をつけてやりたい。ものすごい愛情を持って乗りたいので、ものすごい愛情を持っているものの名前をつけたい。真っ赤なボディ。どこまでも流麗で格好良さげな造形。こいつとともに歩むこれからのダイエットロード。
わたしはこの自転車を「ゼロ」と名付けることに決めた。
ロックマンゼロ!愛してる!!
(電撃 - 『ロックマン ゼロ コレクション』でゼロが使用する武器を紹介より)
クロスバイクと高スペックママチャリの差は歴然
わたしが愛用していた、しかし本日から街乗り専用機に格下げされてしまったもう一台の愛車「ライナス」*9
こいつとて、見た目もさることながらそのスペックだってそれなりだ。シティライドクロス的なキャッチコピーを当時は掲げていたし、フレームはスチールじゃなくてアルミだし、ギアだってシマノの7段変速だ。8,000円のノーギアママチャリから乗り換えたときは、天地がひっくり返る驚きを得たものだ。自転車って、苦行じゃないんだ…。そんな驚き。そしてこいつは何よりかっこいい。
だが、奥さん。*11
クロスバイクに乗ってごらんなさいよ、全然違うわよ。
細やかな変速ギア
一般的に街乗り用の自転車は後輪にギアがついており、3段から6段の変速を行うことができる。
驚くなかれ。スポーツタイプのバイクには、前後にギアがついている。このエントリーモデルですら、前3段後ろ8段の24段変速なのだ。なんてこった。走行感覚えられん。
乗る前は「そんなにギア要らないのではないか」と思ってもいたのだが、実際に走ってみると、あらゆる道路の傾きにも対応出来るこの多段ギアのなんと使いやすいこと!こればっかりは経験しないと分からん。どうぞ、お近くのスポーツバイクを扱っている自転車屋さんで試乗してみていただきたい。
接地面の少なさは則ち速さ
スポーツバイクはタイヤが細い。わたしの「ゼロ」は入門モデルのクロスバイクだからそれほど細くもないが、ママチャリよりはずっと細い。接地面が少ないということは、その分抵抗が少ないということだ。そのため、同じ力でも速く走ることができる。
これも経験しないと分からん。どうぞ、お近くのスポーツバイクを扱っている自転車屋さんで試乗してみていただきたい。
多彩なサイズ展開
ママチャリのサイズも、通常24インチから27インチで展開されている。しかしわたしのもう一台の愛車「ライナス」のように、少し格好の整った性能のきちんとしたママチャリは26インチ、27インチといったサイズ展開が多い。そのサイズがおそらく「多少高いけど少しいい自転車に乗りたい」層をカバーする最も効率的なサイズなのだろう。おそらくDINKSか独身貴族と思われる。憎い。若いものたちの高身長が*12。
わたしの身長は152cmと低い。アメリカに滞在していた一ヶ月の間に中学生に間違われた回数は他のアジア人学生に追随を許さぬ絶対の自信すらある。大学のパソコン室で課題をやっているのに間違われるのだ。いや正確に言えば、大学のパソコン室で課題をやってたから中学生に間違えていただけたのだ。おそらくそうでなければただの小学生と断定され補導された可能性すらある。アメリカ!恐ろしい土地!!*13
とにかく。スポーツタイプの自転車のよいところは、サイズ展開がしっかりしているところだ。「サイズがある自転車に乗る」ではなく、「乗りたい自転車のサイズを選ぶ」ということができる。*14
店員さん「身長何センチですか?」
わたし「152センチでしかも足が短いんです、人より」
悲しみ…。
とにかく軽い
クロスバイクとママチャリの差はなんといってもその重量だ。
街乗り専念となったもう一台の愛車「ライナス」は、16kgある。一方でこの「ゼロ」はMサイズで10.2kgだ。おそらくわたしのXXSサイズでは10kgを切っているだろう。そこらへんの太ったダックスフント*15より軽い。というか普通のママチャリからクロスバイクへ乗り換えたその「6kg」なんて通常のデカチュアダックスフント1匹分の重さだ。今まではデカチュアダックスフントを1匹抱えて走っていたようなものだ。そりゃ重い。
こいつのサイズだもの。今膝の上に抱えながらきキーボード打ってるけど、足しびれてくるもの。
さて、話を戻せよいい加減、もう!とにかく!軽いの!軽いのよおおお!
どのくらい軽いかと言うと、筋力の衰えた三十路のわたしでも右手なら片手で持ててしまうほど軽い。多分普通の三十路なら左手でも片手で持ててしまうほど軽い。
片手で持てるだけではない。今日のポタリングで自転車の軽さを最も体感できたのは、土手の上り坂だ。これまではギアを一番低くして低速運行を余儀なくされていたが、この重量であればギアは真ん中ほどでも街中や土手に上り坂はすいすいいける。
つまり当然平地においても相当程度負担は軽減されているはずだ。道理でスピードが出やがる。道理で慣れないとバランスがくずれやがる。道理で、わたし、風になる。
クロスバイク購入を悩んで4年
もったいなかった。早く買うべきだった。ああもったいなかった。もったいなかった。もったいなかった。(しつこい)
やっと手に入れた「ゼロ」で、羽田や羽田や羽田に行って、飽きるまで飛行機を眺めていたい。
わたくしからは、以上です。
どうらーの矜恃 pic.twitter.com/NVacCwGIZ5
— mah(まー)@おしゃべりインコ (@mah_1225) 2014, 7月 18