人型機械だけではなく、会話能力を持つコンピュータープログラムもロボットと呼ぶ。このロボットの知性はどこまで人に近づくのだろうか?
これに関して今から65年ほど前に計算機科学の父、アラン・チューリングが提唱した「チューリングテスト」という判定試験がある。試験されるのはロボットで、判定するのは人間だ。
「壁の向こうにいる相手が、人かロボットのどちらかである」という設定で、判定者はその見えない相手と会話して相手が人なのかロボットなのかを言い当てる。もし、ロボットが多くの判定者を自分が人であるとだませたら、そのロボットは試験に合格。その知性は人と同等だ。
その未達の夢に関して、今年6月の初旬、英レディング大学がチューリングテストを主催し、応募したロボットが合格したと発表した。そのロボットはウクライナ在住の13歳、英語を勉強中で名前はユージン君という設定。ユージン君はこんなやりとりができる。
質問者「ワールドカップではどこが勝つと思う?」
ユージン君「私が思うにそれはとても面倒な催しです。ゴキブリレースのほうがまだ知的で面白い催しだと思います」
こういった受け答えで複数の判定者がロボットのユージン君を人だと勘違いした。英語を勉強中のウクライナの少年という甘めの設定がズルイという指摘はあるが、人工知能が人に近づいた、として話題になった。
昨年末、米国である健康保険勧誘の電話が「ロボットではないか?」と噂になった。勧誘電話の主はサマンサ・ウェストと名乗る女性であった。そのサマンサは流ちょうな英語を話すうえ、彼女の得意な勧誘に限った会話となると、相手は「人かも?」と錯覚する。
しかし、イマイチ話が噛み合わない。「トマトスープに入っている野菜は?」との質問には答えられない。「あなたはロボットなのか?」という質問には「あはは、私は生身の人間よ。OK?」と変な返事。真相は、勧誘側の人に操作される「半自動化されたロボット」が話しているらしい。電話の相手が人に限らないというビミョーな時代になっている。
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