スマートフォンネイティブアドのトレンド、キュレーションビジネスの今後について
講演者
- 町野 健(グライダーアソシエイツ 取締役COO)
「キュレーションは今年の夏から来年にかけて、当たり前のサービスになっていくだろう。」町野氏はこう切り出し、キュレーションビジネスが本格的に盛り上がってきている状況を伝えた。
グライダーアソシエイツはキュレーションマガジン「Antenna」を2012年に創刊。厳選した230以上のメディアから記事をキュレーションし配信している。ユーザー数は300万を超え、1カ月における記事のインプレッション数は9億回以上にのぼる。
グライダーアソシエイツ 取締役COO 町野 健 氏
キュレーションビジネスが伸びている背景として町野氏は「情報の飽和状態」を指摘する。近年は「IT経済」の時代となり、社会に流通する情報量が増えすぎて、検索エンジンを使っても目的の情報が探しにくくなった。さらに、新しい経済の流れとして、経験価値をビジネスにする「経験経済」が主流になってきている。
「スマホ時代における経験価値のひとつがキュレーションだと考えています」(町野氏)。今後は、本、アート、旅行など分野を特定したキュレーションサービスがトレンドになっていく可能性が高いという。
セミナーでは、最近関心を集めている「ネイティブアド(メディアの中において、記事に自然となじむデザインや機能で表示されるペイドメディア)」についても言及。企業が「ネイティブアド」に注目するようになった理由を次のように話す。
「キュレーションビジネスが本格化し始め、ユーザーにとっての情報入手の選択肢はさらに増えました。しかも、情報の選択権がユーザー側に移り、ユーザーの広告に対する目も一層厳しくなってきています。そこで企業はその解決手段のひとつとして、キュレーションサービスにフィットするネイティブアドに注目するようになりました。」
「Antenna」はネイティブアドによってブランドイメージを自然な形で訴求し、自社の世界観を大切にしているナショナルクライアントに対して集客とブランディング面で貢献する。
町野氏は、これからの広告マーケティングはネイティブアドと既存4マス媒体とを使い分けながら、最適なパフォーマンスを追求していく手法が主流となるだろうとの見通しを語った。
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